(岩手日報 8月23日)
北上市口内町のNPO法人くちない(昆野先男理事長)は、
自家用車を活用して有償の乗客運送を始めた。
市中心部から10kmほど離れ、高齢化も進行する口内地区。
通院利用などで、交通手段の確保が難しい高齢者らの
利便性向上に一役買う。
新たな「地域の足」に、利用者から「便利なので助かる」と歓迎の声。
「バス停から家まで歩いて1時間半かかる。本当に助かります」
昆野ミキさん(68)は、市中心部への通院の帰り、
最寄りのバス停から自宅までの約2・2kmを利用し、笑顔を見せた。
ドライバーの昆野助男さん(70)は、
「まずは安全運転が第一。
相手の様子を見ながら会話もして、気持ちよく乗ってもらいたい」
市東部に位置する口内地区は、人口約1780人。
高齢化率は40%に迫る。
公共交通機関は、県交通のバス1路線だけ。
同法人は、08年度から運送の社会実験や関係者との協議を進め、
岩手運輸支局に自家用車有償運送の登録を申請。
利用は会員制で、地区内でバス停、金融機関などへの区間を
運行する「過疎地運送」、身体障害者、要介護認定者らを
中心部の病院や官公庁に運送する「福祉運送」―の2種類。
地区内の8人がドライバーを務める。
登録者数は、「過疎地」が約100人、「福祉」が13人。
先月29日のスタートから利用は数件だが、
広報紙を発行するなどして周知を図る。
同法人の菅野甚一事務局長は、
「高齢化が進む地域で、暮らしやすさについて
一つ一つ考えていかなければならない。
この運送を活用した日常生活用品の調達なども検討したい」
原則土、日、祝日を除き午前8時~午後6時まで運行。
運賃は、「過疎地」が年会費千円を支払った場合、
1回100円、それ以外は初乗り(1・5kmまで)300円から。
「福祉」は800~1200円。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100823_11
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