2010年8月27日金曜日

家庭で新聞活用(3)調べる意欲を育む手段

(読売 8月13日)

「選んだ記事をもとに親子で話しあい、
どう表現するかやってみましょう」

私立聖心女子学院初等科で、6年生の児童・家族48組
約100人を集め、新聞を使った課外授業が行われた。

指導したのは、岸尾祐二教諭。
読売新聞主催「夏休み親子新聞教室」でも講師陣に加わり、
指導にあたった。
来年度から使われる、新しい社会科の教科書を執筆した一人。

参加家族ごとに当日の新聞のほか、切り取った記事を張ったり、
感想を書き込んだりできる白い紙が渡された。
教諭が、「記事を読んで、思いついた四字熟語や
ことわざを書き出しましょう」と説明。

「念には念を入れる」、「石橋をたたいて渡る」といったことわざを
思いついた児童が選んだのは、他の動物が入り込んで
天然記念物のトキが襲われないようケージを再度、
補強するという記事。

出来事を知るという目的だけでなく、思考のきっかけにしたり、
国語の力を伸ばしたりするために、新聞は使える」と岸尾教諭。
児童が楽しめるよう、さまざまな手法を考え、
授業に取り入れている。

熱心に新聞を読んでいたIさん(11)は、
「何気なく新聞を読んでいると、なるほどと思っただけで
終わってしまう。
授業で新聞を使う時、取りあげられた人がどんな気持ちでいたのか、
といったことを考えさせられ、おもしろい」と笑顔。

新聞を使う学習で、必ず用意するのが、辞典などの参考書類。
今回の催しは、学校の図書室で行った。
子どもたちは、そうした本を新聞の脇に並べ、ページをめくった。
パソコンで、インターネットを使いながら、
新聞を広げた親子もいた。
こうした環境だと、知らない言葉だけでなく、
興味のわいた事柄も調べることができる。

「サッカーW杯なら、参加国の文化を調べたり、
主催国南アフリカにかつてあったアパルトヘイト(人種隔離政策)を
取りあげてもいい。
話題をどんどん広げていくことが、新聞活用で大事な点

保護者も交えたこうした課外授業を定期的に行うのは、
家庭でも日頃から新聞の教育的な活用を意識してもらうため。
大人向けに書かれた新聞は、難しい表現も多い。
親のサポートも大事。
助け舟を出すことはもちろん、自分から調べる意欲を
育てるようにしたい。

記事で紹介された場所を親子で訪れたりすれば、
子どもはもっといろんなことを知りたくなる。
「昔と比べ、保護者は忙しいとは思いますが、
子どもの世界を広げる手段として、新聞をぜひ活用してほしい」と
岸尾教諭は呼びかけている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100813-OYT8T00351.htm

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