2010年8月25日水曜日

家庭で新聞活用(1)自分好みにスクラップ

(読売 8月11日)

新聞を教材として生かし、子どもたちの知識や応用力を
高めることをめざすNIE(新聞活用教育)。

来年度、小学校の教科書に幅広く取り入れられることから、
家庭でも関心が集まっている。

読売新聞東京本社で開かれた
「自由研究に役立つ夏休み親子新聞教室」。
113組250人の親子連れが詰めかけた。

参加者には、サッカーW杯の日本戦や小惑星探査機
「はやぶさ」の地球帰還などを報じた朝刊、夕刊のほか、
新聞1ページをそのまま張ることができる
大型のスクラップ帳が配られた。

好きなテーマを決め、気に入った記事や写真を切り取り、
スクラップ帳に張り付け、意匠を凝らした「自分新聞」に仕上げる。
どのように進めるか、会場では新聞を見ながら熱心に話し合う
親子の姿があった。

作業に当たり、元中学校教師の鹿野川喜代美・
読売新聞NIE企画デザイナーが、
写真を集めてコメントを書き込んだり、
4コマ漫画にタイトルや感想を添えるなどの手軽な方法を紹介。
「テーマは、食べ物でもスポーツでも何でもいい。
記事を読んで、気に入ったものを集めるだけで読む力がつく」

「はやぶさ」の写真と記事を張り付けたのは、
千葉県八千代市の小学6年生。
「遠いところから帰ってきたのがすごい。
写真がドーンと新聞に載っていたから、
それを中心に自分でまとめたい」

W杯のことに関心を持った子も多かった。
東京都江東区から来た小学3年生は、
サッカーJ1のFC東京が開いているスクールに通っている。
同チームから代表に選ばれた、長友佑都選手に注目。
同選手の姿をとらえた写真を新聞から集め、
試合のコメントなどとともに張り付けた。
「海外に移籍し、スタジアムで応援できなくなるのは残念。
頑張ってほしい、という気持ちを込めました」

夏休みの宿題に「新聞作り」が出され、
「やり方を知りたい」と参加した親子も。
小学校に次いで、中学校の教科書でも、
再来年度から新聞を取り入れた学習が入ることになり、
そうした課題も今後増えそう。

鹿野川デザイナーは、「テストに出るから、といって取り組むと、
子どもは萎縮してしまう。
じっくり楽しみながら続ければ、着実に力がつき、
世界が広がってくる」

記事を話題に、会話が弾む。
新聞は、家庭でコミュニケーションの道具になる。
子どもの育ちに役立てようと、親世代も理解を深めつつある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100811-OYT8T00400.htm

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