2010年9月7日火曜日

実感する理科(7)教員研修 博物館が支援

(読売 8月27日)

「5分間で、人間の全身骨格を描いて」という講師の指示に、
「えーっ」と声が上がった。

「肋骨って、どこから出てるんだ」とつぶやきも。
上野の国立科学博物館で開かれた教員研修会。
参加した東京都杉並区の中学校理科教師27人に、
講師の同館職員が紹介していたのは、同館からの貸し出し教材を使った
授業である「骨ほねウオッチング」プログラム。

図が完成すると、今度は、「バラバラの全身の骨格標本を、
机に正しく並べてください」
骨格標本は約50個。
「どっちが前?」、「左右逆だよ」、中には体に骨を当てながら
「ここかな?」。
約20分で全身らしくなったところで、
講師が正解の模型を見せて解説。

同区立松ノ木中学校の真渕高史副校長(55)は、
「評判を聞き、ぜひ見てみたいとみんなで来たが、
授業のネタとして十分使えると思った」

恐竜の化石や動物の剥製など、様々な展示物が楽しめる
博物館を学習に活用してもらおうと、
同館など全国約20の博物館が協力し、貸し出し教材を使った
約60の学習プログラムを開発。

「骨ほね」もその一つ。
いずれも、体験を通して楽しく理解できるよう工夫され、
同館のサイト「授業に役立つ博物館」で紹介。

新学習指導要領が、博物館などの積極的活用を明記したことを受けて、
このプログラムを紹介する研修会も、各地で開かれている。
同館での研修も、申し込みが急増している。

横浜市は昨年、同館の研修に4人を派遣。
研修後、4人が指導員役に回り、ほかの教員にプログラムを伝授。
実際、十数校が同館から骨格標本を借りて授業を行うなど、
予想以上の効果があった。

先生たちに博物館をもっと知ってもらおうと、
同館は今月29日を、「教員のための博物館の日」として、
教員向けの様々な行事を開催。
夏休みに開くのは、今年が初めて。
植物画の描き方や顕微鏡の基本操作の講座のほか、
類人猿の頭骨や岩石鉱物など、貸し出し教材も紹介。
教員の入館料は無料。

企画した小川義和・学習企画調整課長(50)は、
「博物館は、学習資源の宝庫。
展示以外にも、色々な形で授業に利用できることを知ってほしい」

◆授業に役立つ博物館

http://www.kahaku.go.jp/、「学習」をクリック。

◆教員のための博物館の日

事前申し込みは不要だが、プログラムは先着順。
対象は、幼稚園から高校までの教員、
職員証などの提示が必要。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100827-OYT8T00141.htm

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