2010年9月8日水曜日

体内時計:簡易測定に成功 慢性時差ぼけ解消へ一歩--佐賀大・山口大

(毎日 8月24日)

頭髪やあごひげの根元についた細胞から、
24時間周期の体のリズムを刻む体内時計を動かす
「時計遺伝子」の活動パターンを、簡単に精度良く測定することに、
佐賀大と山口大などの研究チームが成功。

体内時計の乱れは、体調不良や高血圧、糖尿病などの
病気の発症にかかわるため、病気の治療や予防、
時差ぼけの解消などへの応用が期待。
24日付米科学アカデミー紀要で発表。

時計遺伝子は20個ほどあり、体のすべての細胞内に存在。
これまで、血液や口の中の粘膜の細胞で測ろうとしてきたが、
手法が煩雑で精度も低かった。

明石真・山口大教授(時間生物学)らは、
体毛を引き抜くと、根元についてくる毛包細胞に着目。

時計遺伝子が、たんぱく質を作る過程でできる物質(伝達RNA)の
増減を測定すると、三つの遺伝子で24時間周期の
明確な変動パターンがあった。

量が最も多いピーク時刻は、早起きの人で早いなど
個々の生活習慣に対応するほか、生活リズムの変化にも連動し、
同じ人が3週間かけて起床を4時間早めると、
ピークも約3時間早まった。

時計遺伝子の増減が、高血圧や血糖値などの変動に、
どのように関連するかは今後調べていく。
自動車部品工場で、早番と遅番を1週間ごとに繰り返す
20~30代の男性6人について調べると、
生活リズムは約7時間ずつ前後にずれるのに対し、
体内時計は2時間ほどしか変化せず、
慢性的な時差ぼけになっていることが分かった。

明石教授は、「労働環境の改善や、体内時計の乱れが引き起こす
病気の予防・診断に役立てたい

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/08/24/20100824ddm002040110000c.html

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