2010年9月11日土曜日

若者同士で「性」語ろう NPOが学校などで啓発イベント

(2010年8月29日 毎日新聞社)

HIV感染者が年々増加傾向だが、検査や相談は減っている。
性交開始年齢が早まるなか、同世代で語り合う
啓発運動が広がってきた。

この夏、10代に人気のギャルモデルたちが学校などを訪れ、
同世代と一緒に性について学ぶ
「愛です!EDUCATIONキャンペーン」がスタート。

ラジオ番組から始まり、学校現場でタブー視されがちな
性感染症や避妊について、率直に語り合う。

渋谷のファッション系専門学校の一室に、女子生徒12人が集まった。
みんな小麦色の肌に金髪、マスカラメーク。
ギャルモデル4人も加わり、車座になった。
講師は、HIV感染者を支援するNPO法人「ぷれいす東京」の
池上千寿子代表(63)。

「セックスで感染する病気は?」、
「体がおかしいと思ったら何科の病院に行く?」。
質問に、生徒たちが照れながら答えていく。
池上さんは、感染予防や避妊のため、
「コンドームを必ず使って」と強調しつつ、
「失敗しても、人生終わりじゃない。
立ち直れることも覚えておいて」と付け加えた。

モデルのLieさん(25)は、生徒たちに呼びかけた。
「私も10代の時、(コンドームを)着けなくていいと思っていた。
自分を大事にするために自分で持ち、彼氏に『着けて』と言える
カッコイイ女になろうよ」

最後は、モデルと生徒の記念撮影。
参加した生徒(18)は、「同世代のモデルは親近感があり、
話しやすかった。友達が(陰部が)かゆいと言っていたけれど、
放置しちゃってる。今日学んだことを教えてあげます」

エフエム大阪の小野田敦乙プロジェクトプロデューサー(37)は、
「性の話は、今の子にはタブーではない。
オープンに話す環境が必要」。
Lieさんたちは、今後も各地の学校などを回る。

NPO法人「HIVと人権・情報センター」は、
若いボランティアが同世代の参加者との共感を大事にしつつ、
HIVやエイズの正しい知識を伝える
「ヤング・フォー・ヤング・シェアリング・プログラム」(YYSP)を続けている。
98年に始まり、これまでに6万人以上が参加。

今年6~7月、大阪市のラジオ放送局「FM802」が、
関西の大学や高校にディスクジョッキー(DJ)を派遣する形で、
このプログラムを実施。
同NPO全国事務局の大釜正希さんは、
「初めてHIV検査を受けた時の感想やパートナーとの関係など、
人気DJの『生の声』が生徒たちの心に響いているようだった」と
手応えを感じている。
……………………………………………………………………
◇思春期・FPホットライン

日本家族計画協会の思春期保健相談士が、電話で緊急避妊や
性の相談を受ける。
月~金曜の10~16時(祝日除く)。電話03・3235・2638。

◇ティーンズカフェ

毎週木曜9時~19時半、主婦会館プラザエフ。
産婦人科医の堀口雅子さんが相談に応じる。
無料。要予約(電話03・3265・8119)。

◇YYSP

全国で開催。
依頼、問い合わせは、HIVと人権・情報センター東京支部
(電話03・5259・0622)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/8/30/124666/

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