2010年9月8日水曜日

インタビュー・環境戦略を語る:セディナ・浜芳樹副社長

(毎日 8月30日)

オーエムシーカード、セントラルファイナンス、クオークの3社が合併、
昨年4月に誕生したセディナ。

旧オーエムシーカード時代、環境保護活動・研究を寄付金で
支援する「地球にやさしいカード」の発行を始め、来年で20周年。
消費低迷など、クレジットカード業界の経営環境が厳しくなる中、
環境問題にどう取り組んでいくのか、浜芳樹副社長に聞いた。

--「地球にやさしいカード」の20年の実績を教えて。

◆「普通に使うだけで、地球のために寄付できる」をコンセプトに、
91年に発行を始めた。
会員のカードショッピングの利用額のうち0・5%が、
当社の負担で環境保護団体などに寄付される仕組み。

09年度末、カード会員数は2万783人、
寄付金の累計額は5億7000万円、
業界でも先駆的役割を果たしたと自負。

--会員に支持された点は?

環境問題別に14種類のカードがあり、関心の高いテーマを
寄付先に選ぶことができる。

東京農業大学・砂漠に緑を育てる会、
尾瀬国立公園で啓発活動などを行う「尾瀬自然保護ネットワーク」、
アフリカ象保護に取り組む「トラ・ゾウ保護基金」、
サンゴの保全を目指す沖縄大学地域研究所--など、
各団体の活動実績は年に1度、会員に報告。

自分のカード利用額が環境保護にどう生かされたか、
目に見える点が評価。

--業界初の環境をテーマにしたゴールドカードの発行を始めた。

◆利用額の0・1%が、環境保全団体に寄付されるだけでなく、
屋久島や白神山地へのエコツアー、環境保全型商品の購入案内など、
会員限定の体験型プログラムを充実させたのが特徴。

「地球と手をつなぐ」という意味で、「アクシュ」と名付け、
表は金色、裏は緑色にし、使うたびに地球環境問題への意識を
高めてほしいという願いを込めた。

石油や運輸関連企業から、提携カードの要望も来ている。
環境保全活動に積極的にかかわりたい、という利用者のニーズは
強まっており、環境をテーマにしたカードの訴求力は今後も高まる。

--セディナは、5月に三井住友フィナンシャルグループ入り。
合併や再編を経て、環境戦略はどう変わるか?

◆カード業界を取り巻く環境は厳しさを増すが、
これまでの取り組みは一切変わらない。
利用明細書のメール配信による紙利用削減や、
環境対応車(エコカー)ローンへの優遇金利適用などにも
取り組んでいるが、まだまだ深掘りできる。

お客様が、環境への貢献を実感できる事業を、
カード本業の中で実現するのが我々の役割。
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◇はま・よしき

70年東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。
同行常務執行役員などを経て、
08年、セントラルファイナンス(現セディナ)副社長。
09年4月から現職。63歳。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100830ddm008020024000c.html

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