(東海新報 11月21日)
港湾整備が進む大船渡市の永浜・山口地区で、
水深13メートル岸壁背後に広がるふ頭用地の埋め立て工事が始まった。
県による事業で、埋め立て終了は22年度、
土砂の沈下促進や舗装作業を経た最終的な完成時期は24年度。
今年度は、臨港道路整備に向けた用地補償も進め、同時期の完了を目指す。
工業用地は、部分供用のメドはあるものの、企業誘致との関係も残されている。
4万トン級の大型船舶が接岸できる水深13メートル岸壁は、全長260メートル。
地元負担のない「国直轄事業」として、国土交通省東北地方整備局
釜石港湾事務所が整備を進め、今年度末までに完成。
ふ頭用地はその岸壁に隣接し、港湾荷役に欠かせない場所。
現在は海水が入っている状態で、“陸続き”になっていないが、
県による土取運搬埋立工事が先月末から本格化。
事業費は約1億6000万円、(株)佐賀組が請け負っている。
土砂は、立根町の総合公園予定地からトラックで運搬。
盛町内の国道45号から佐野橋を経由、主要地方道・大船渡綾里三陸線を通って
埋め立て地まで運んでいる。
工事は、3月まで日中の時間帯に行われ、地元住民らへの説明機会も。
ふ頭埋め立て面積は、3・4ヘクタール。
34万立方メートルの土砂が必要で、今年度は約9万立方メートルを予定。
県道側から岸壁側に向かって土砂を投入。
埋め立て作業は、22年度の完了を目指す。
水抜きや沈下を待ち、舗装作業を経た工事完了は24年度ごろ。
県では、約1億5000万円を投入し、港湾から県道に接続する
臨港道路の用地補償を進める。
完了時期は、ふ頭整備と同じ24年度ごろ。
水深13メートル岸壁北側で、県が整備している同7・5メートル岸壁の
今年度予算規模は少なく、ふ頭用地を含めた整備完了には
今後10年程度はかかる見通し。
県は、同じく北側にある船揚場は21年度までに整備し、
漁業者の利便性に応える姿勢も示している。
新ふ頭の整備によって、大船渡港の大型船受け入れ態勢が拡大。
世界的な資源価格高騰が予想される中、大型船による効率的な運搬を
求める声は地元内外の企業・事業所から強まっている。
岸壁とふ頭用地の背後に整備される工業用地は、面積11・7ヘクタール。
弁天山に近い南側の約5・2ヘクタールについては、
盛り土が行われ造成にメドがつき、縦貫道整備によって出た土砂を
受け入れて安定化を促している段階。
赤崎中に近い北側約6・5ヘクタールは、浚渫ヘドロもあるため、
地盤が安定していない状態。
県大船渡地方振興局土木部の小野寺徳雄部長は、
工業用地全体の完成について、「造成した土地への企業進出をみながら判断。
具体的交渉には至っていないが、市に対し税の優遇措置照会は来ていると聞く。
新ふ頭にも大型船舶が入れる状況を整え、港湾活性化を図りたい」
ふ頭と臨港道路の完了目標年度が明らかになることで、
岸壁、工業用地ともに活用の見通しが広がってくる。
さらなる工業用地整備には、企業進出と予算措置が連動する形になっているため、
今後は県や市、地元産業界が一丸となった戦略的な企業誘致も求められている。
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