2008年11月25日火曜日

特集:広がるMOTTAINAI 64企業がブランド活動に参加

(毎日 11月22日)

横浜、宇都宮、富士山ろく、フランス・ストラスブール--
MOTTAINAIは、子どもから大人まで、多くの企業の応援で国内外に広がった。
MOTTAINAIブランドで環境問題に取り組む企業は、64社に上る。

ノーベル平和賞受賞者でキャンペーン名誉会長、ワンガリ・マータイさんは、
米国のバラク・オバマ次期大統領一家と2年前に植樹した
ケニア・ナイロビのウフル公園で新たな木を植え、
プレートに歴史的な瞬間を刻んだ。

「もったいない」の心を世界に発信する
「第2回もったいない全国大会inうつのみや」が宇都宮市で開催。
ワンガリ・マータイさんが出席、約2100人の聴衆が熱心に耳を傾けた。

マータイさんは、第4回アフリカ開発会議などに合わせて来日。
宇都宮市立中央小(高田実校長、203人)で、ハナモモの木を記念植樹。
マータイさんは、「一人一人、『もったいない』のために何ができるか考えてください」
とあいさつ、来場者から拍手を浴びた。

全国大会で、マータイさんは地球温暖化の危機的な現状に触れ、
「炭素を吸い、酸素を吐き出す森は地球の肺だ。森林を守ることが極めて重要」、
MOTTAINAI運動を世界に広げるよう訴えた。
パネルディスカッションではマータイさんのほか、小池百合子元環境相らが
環境保護をテーマに議論を展開。
「この素晴らしい『MOTTAINAI』を、この大会から全国へ、世界へ広げていく」
との宣言文が読み上げられた。

マータイさんは今月6日、オバマ次期米大統領の勝利を祝い、
英高級紙「ガーディアン」に寄稿(http://www.guardian.co.uk/)。
マータイさんは、「米国は真に克服した。世界はこの潮流に加わりつつある」と題し、
ケニア国民が同国にルーツを持つオバマ氏の勝利を祝っている。

寄稿文の書き出しは、
「今朝、私はナイロビのウフル公園に植樹に行くつもりです。
記念プレートには、『バラク・オバマ氏が米国大統領に選ばれた日を記念して
この木は植えられました』と刻まれています。
この木に並んで、オバマ氏が一昨年ケニアを訪問した際に植えた木が
すくすくと育っています。
この木の成長は、米国と世界にとってすばらしいこの歴史的な瞬間の証しとなる」

マータイさんは06年8月、ケニアを妻子とともに訪問したオバマ氏を招いて、
ナイロビ近郊のウフル公園で記念植樹を開催、
オバマ氏と妻ミシェルさんとともに木を植えている。
アフリカの大地に植えられた木の成長を、オバマ氏の飛躍に重ね合わせ、
歴史のダイナミズムを表現。

「ケニア中が、この国の息子が米国大統領になったことを祝福。
多くの国民は夜を明かしました。
この日が国民の休日になったことも、オバマ氏と深くつながっているという
心情によるものでしょう」とし、
オバマ氏の勝利を喜ぶケニア国内の様子を伝えた。

「もし、私がオバマ氏に個人的に望めることが一つだけあるとするならば、
それは環境問題に取り組んでほしい。
オバマ氏がアフリカ諸国に森林を守り、気候変動に適応するように働きかけてほしい。
ポスト京都議定書の枠組みでも、森林は重要な解決手段の一つ、
米国がこの取り組みを支持することを期待」。

「MOTTAINAI(もったいない)フリーマーケット2008」が、
パシフィコ横浜で開かれ、家族連れなど約6万3000人が来場。
一般市民のほか、フリマ愛好家や雑貨商など計320店が出店。

一般向けのフリーマーケットに加え、出店者も客も小学生以下という
「キッズフリーマーケット」も開催。
「ポケットモンスター」や「ムシキング」などのキャラクターを描いた
トレーディングカードやアクセサリーを売り買いする子どもで熱気に包まれた。

キッズフリマは、リサイクル精神や金銭感覚を養ってもらおうと昨年開始。
横浜市教委をはじめ、東京都の文京区や品川区の教委と協力し、月1回開催。

MOTTAINAIフリマは、おおむね毎週末開催。
出店料のうち、7円(苗木1本分)と「MOTTAINAIステーション」で回収した古着や
DVDの販売利益が、マータイさんの植林活動「グリーンベルト運動」に寄付。
今回は古着2600キロ、古本やビデオ274点、天ぷら油10リットルを回収。

フランス・ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生をインターネットで結び、
暮らしの中の「MOTTAINAI」について話し合う第2回テレビ討論会が開かれた。
両国の子どもたちが、「環境保全、交通、観光とまち」をキーワードに、
お互いの国の習慣や取り組みを紹介し、社会に向けた提言をまとめた。

東洋大の地域活性化研究所(板倉町)の呼びかけに、
町立東小とストラスブール市立サンジャン小が応じて実現。
両校の5年生がウェブカメラを使いながら意見交換した。

今回は、1日目の小学生による議論を受け、
2日目には東洋大生と専門家を招き具体的に議論を深めた。

MOTTAINAIキャンペーンに協賛する企業が、自ら環境保全に取り組むイベント
「第3回企業対抗ゴミ拾い大会」が、富士山ろく・青木ケ原樹海で行われ、
29社240人が汗を流した。

アルピニストでNPO富士山クラブ「もりの学校」校長、野口健さんが指導、
東京・新宿からバスを運行し、現地で約2時間の清掃活動を行った。

企業対抗は、キャンペーン事務局と「MOTTAINAI」のブランドビジネスを手がける
パートナー、伊藤忠商事がライセンシー企業に呼びかけ、一昨年から始まった。
ライセンシー・協賛企業は64社、この1年で26社増えた。

業種も多岐にわたり、肥料、陶器、繊維、文具、学生服、エコバッグ、風呂敷、
マイ箸、銀行、クレジットカード、ポータルサイト、スーパーマーケットなどさまざま。
NHKみんなのうたで、「MOTTAINAI」を歌った人気タレント、ルー大柴さんも
特別参加し、独特のトークで参加者をなごませた。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/11/22/20081122ddm010040132000c.html

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