2008年11月28日金曜日

みんなのスポーツ「チャレンジデー」日本に上陸

(sfen.jp 08.11.19)

「チャレンジデー」は、1983年(昭和50年)に
住民総参加型スポーツイベントとしてカナダで誕生。
日本では、1993年(平成5年)からSSF笹川スポーツ財団の
コーディネーターにより普及・活動が始まりました。

このスポーツイベントを簡単に紹介すると、
『毎年5月の最終水曜日に、人口規模がほぼ同じ市区町村・地域間で、
午前0時から午後9時までの間に15分間以上継続して運動やスポーツ等の
身体活動を行った住民の参加率を競い合い、
敗れた場合は対戦相手の自治体(地域)の旗を、
庁舎のメインポールに1週間掲揚する』というもの。
このイベントは、真剣に取り組めば取り組むほど、
スポーツを通じて地域住民に夢や希望、感謝を与え、
地域環境づくりや健康づくりに貢献するイベントに成長。

地域住民がひとつの目標に向かい、一丸となってスポーツ活動を通じて
地域づくりを行うというイベントは、スポーツ・文化活動などで
企画・運営されることはあっても、各自治体・団体単位と規模は小さく、
一部の関係者や団体に片寄りがちの傾向に。

しかし、「チャレンジデー」の規模は世界・全国規模であり、
世界で一斎開催であるため、夢がふくらむイベント。
地域住民が同じ目標に向かい、特別な技術や体力などにこだわることなく、
多世代の老若男女、誰もが気軽に参加できる活動。
競技感覚で、「競う」というよりも「楽しさ」を主とし、
「出会いと交流の場」としての要素を含めたうえで参加率を競うという
ユニークな企画で実施され、実際に体験してみると実に新鮮なスポーツイベント。

「チャレンジデー」は、海外で人気があり、取り組みやすい事業のように
思われますが、実はお祭り好きの日本人の性格にはピッタリなイベント。

「チャレンジデー」を実際に企画・運営して強く感じるのは、
各自治体、職場、団体の組織力はまちがいなく強化され、
さらに連帯感が深まる。
昨今多様化、複雑化する現代社会において最も必要とされる要素で、
地域コミュ二テイづくりには計り知れない効果が生まれるのでは。

対戦相手の自治体とは、お互いのまちの情報交換が頻繁に行われ、
特産物の交換や関係団体間の交流が生まれる。
最近対戦した沖縄県と秋田県の自治体間では、
中学生の修学旅行の企画が行われるなど、友好的に発展した例が数多くみられ、
自治体間や地域間のPR、交流のきっかけに。

21世紀生涯スポーツの中核的事業として展開されている
「総合型地域スポーツクラブ」設立に向けて、
地域住民のスポーツに対する関心度を高め、理解を深めるきっかけづくりにも。

参加していない自治体に対して、チャレンジデーの説明をすると、
事業効果が「まちづくり」等に大きく貢献することは、
検討の段階では認めるものの、いざ本格的な取り組みの段階になると、
諸般の事情により実現できなくなる自治体・地域が見受けられる。

最たる理由のひとつは、一部関係者がチャレンジデーのスケールの大きさに
飲み込まれて、「挑戦しない(やらない)理由」を探し、前に進まないこと。
何事にも言えますが、「できるか出来ないではなく、やるかやらないか
視点をどこに置くかが、大きく将来的を左右するのではないか。

「チャレンジデー」は、真剣に取り組めば取り組むほどすばらしさが実感でき、
見る夢より実る夢が実現できるイベントである。

平成20年度は、「インターナショナルチャレンジデー」に
20ヵ国45自治体・地域が参加。日本からも3自治体から参加。
国内では、109ヵ所(23市28町6村52地域)が参加し、
総参加者数1,212,450人(19年度:871,816人)と年々参加人数も増えている。

今年度実施していない12都府県へのアプローチなどの課題もあるが、
「チャレンジデー」は生涯スポーツ社会実現のためのイベントに成長し、
市民参加型のスポーツイベントの旗手として、今後一層の期待が高まる。

◆田中忠夫氏

財団法人秋田県体育協会、総合型地域スポーツクラブ育成担当、
財団法人日本体育協会、クラブ育成アドバイザー、SSF笹川スポーツ財団、
チャレンジデー普及推進員

http://sfen.jp/opinion/citizen/03.html

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