2009年1月5日月曜日

野球:関西独立リーグ 夢の世界を切り開いてゆく挑戦者たち(その2止)

(毎日 1月1日)

◆神戸9クルーズ

所属選手18人のうち他の独立リーグ、社会人からそれぞれ6人、
大学・高校などからも6人が入団。
県立東灘高出身の小園投手は、BCリーグ・富山サンダーバーズ、
西宮市出身の濱岡外野手は米大リーグのルーキーリーグで活躍。

球団は、市民と交流する機会も積極的に増やし、
選手が「子どもたちの模範に」と期待。
親子野球教室や地元商店街でのボランティアも計画。

球界初の女性球団代表の広田和代・球団代表(47)は、
「野球は幅広い世代に愛され、応援する人にも健康と元気を届ける。
市民との交流で生まれるコミュニティーをきっかけに、
神戸の元気を取り戻したい」

◇応援企画考える-松井信也さん(44)=子ども服店経営

球団に協力している「神戸新鮮市場」で店を営みながら、
商店街の仲間と一緒に応援企画を考えている。
オフには、選手の働き先も商店街で確保して、選手と触れ合う機会を多くしたい。
商店街に来ていた選手が、セ・パ両リーグで活躍したら、
地元の子どもたちの夢も広がる。

◇球場で応援を-網本雅生さん(52)=広告会社経営

代表の広田和代さんとは昔からの知り合いで、
チームの公式ホームページ作成にも携わった。
神戸市民の手による球団として、できる限り球場に足を運んで応援していきたい。
チームを支えて育てようという市民の皆さんが、
どんどんファンクラブに入ってほしい。

◇練習を手伝う-細谷真治さん(44)=電車運転士

球団職員をしている高校の同級生からの依頼で、
仕事が休みの日に練習に加わって、打撃投手などをして手伝っている。
一緒に練習をしていると、ひたむきに野球に取り組む気持ちが伝わる。
初代リーグ王者になれるよう、私も選手を支え、喜びを分かち合いたい。

ミナト神戸のイメージから、船舶の巡航という英語「cruise(クルーズ)」に由来。
乗組員の「crew(クルー)」とかけて、選手が前途洋々たる海原を進んでほしい、
という願いも込めた。
「9」は、選手9人が9回まで戦い抜くという意味。
チームカラーも海の青で、ロゴもカモメと波をモチーフ。

運営球団=株式会社神戸ベースボール倶楽部(08年6月設立)
http://www.kobe9.jp/
予定球場=神戸総合運動公園サブ球場、尼崎記念公園野球場

◆明石レッドソルジャーズ

所属選手22人のうち、国内の他の独立リーグからは7人、
大学、専門学校などからは15人が入団。
県出身11人中3人は、神港学園(神戸市)出身。
前田勝宏投手は元西武ライオンズ投手で、
08年は四国・九州アイランドリーグの長崎セインツの投手として9勝。

「野球によるまちおこし」を掲げる明石市は、後援会などを整え、球団も球場での
特産品販売や「魚の棚商店街」への観客の立ち寄りなど連携を進める。

社会人野球・全播磨硬式野球団(播磨町)代表も務める
大村節二・球団代表(72)は、「企業の社会人チームが少なくなった。
夢を抱いた若者の活躍の場にして、明石を元気にしたい」

◇応援団会長に-古川一幸さん(37)=応援団会長

明石市役所にある障害者が運営するコンビニエンスストアで働いて、
生まれ育った明石のためにチームを支えようと応援団会長を引き受けた。
スタンドからみんなで赤いタオルを力いっぱい振って、得点を呼び込みたい。
チームは、ぜひリーグの初代王者になってほしい。

◇営業をサポート-木南政人さん(34)=広告会社代表

チームの運営を支える営業活動をサポート。
チームの知名度はまだ高くないので、PRして1人でも多くファンを獲得したい。
選手は試合で勝つことに限らず、社会貢献活動にも積極的に参加して、
人間的にも魅力のある姿を市民に見せてほしい。

◇球場を活用して-原口和夫さん(60)=県園芸・公園協会理事長

管理、運営している明石球場を大いに活用してくれることを願う。
試合と連携したイベントが、球場や公園を使ってできるように協力したい。
野球教室も開いて、子どもたちの夢を育ててほしい。
セ・パ両リーグなどで活躍する選手が現れることも期待。

野球に対する情熱の炎と、地元の特産品タコやタイの色を表した
赤の英語「red(レッド)」に、闘う姿勢みなぎらせた戦士「soldier(ソルジャー)」
を組み合わせた。チームカラーも赤。
米大リーグの強豪「ボストン・レッドソックス」のようになって、
球場が地元ファンらで満員になるよう願いを込めた。

運営球団=株式会社明石市民球団(08年9月設立)
http://www.akashi-red-soldiers.jp/

予定球場=明石球場、姫路球場、高砂球場
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◇関西独立リーグ

関西独立リーグは、「四国・九州アイランドリーグ」、北信越を中心とした
「BCリーグ」に続く国内3番目の独立リーグ。都市部では初めて。

独立リーグは、セ・パ12球団が加盟する日本プロ野球組織(NPB)とは
別の組織が運営するプロ野球リーグで、
関西独立リーグはインターネット関連会社「ステラ」(本社・大阪市淀川区)が
運営事務局となる。

初年度は、神戸9クルーズ、明石レッドソルジャーズをはじめ、
大阪ゴールドビリケーンズ、紀州レンジャーズの4チームでスタート。
2年目以降は京都、滋賀、三重、愛知のチームも加わる予定。

1チームの選手は25人。
年俸は2~10月の月額20万円と出来高報酬。
球団の興行成績によってはボーナス支給も。

開幕予定は4月4日。前期(4~7月上旬)、後期(7月下旬~9月下旬)の
優勝チームによる「関西独立リーグチャンピオンシップ」で
初代リーグ王者が決まる。1チーム年間72試合を計画。
観客数の初年度目標は1試合平均2000人、年間28万8000人。

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20090101ddlk28050020000c.html

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