2009年1月7日水曜日

播磨発宇宙へ:すごいぞ最先端の力(その2止)

(毎日 1月1日)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、国際宇宙ステーションへの
物資輸送手段として開発中の補給機(HTV)の燃料タンク。
素材は、神戸製鋼所の技術力が結集したチタン合金。
軽い、さびない、強い、と良いこと尽くめのチタン製品が
今夏、新たな宇宙開発に貢献。

HTVは、無人の軌道間輸送機(全長10メートル、最大径4・4メートルの円筒形)
で、最大6トンの物資輸送が可能。
年間1~2機の打ち上げが計画。
神鋼が開発したアルミニウム6%、バナジウム4%添加のチタン合金は、
4基の球形推進剤タンク(口径1メートル)の半球素材(8個)を造る。

神鋼は、金属チタンを高砂製作所で溶解してインゴットを生産、鍛造。
これを加古川製鉄所で圧延後、さらに高砂でプレス加工する。
溶解から最終製品まで手掛ける一貫メーカーは、国内でここだけ。
チタン合金の生産量もトップ。

神鋼は49年、日本で初めてチタンの研究開発に着手。
今では「神戸チタン」として知られる。
チタン技術部の藤田陽一・生産技術室長(49)は、
「宇宙開発に採用されたことは技術力が認められたもので、誇りだ。
さらに社会貢献したい」と胸を張る。

◇魚養殖の可能性を探る メダカの宇宙食おりひめ-カミハタ養魚グループ

94年7月に打ち上げられたスペースシャトル「コロンビア」には、
実験用にメダカ4匹が積み込まれた。
メダカに与える宇宙用のえさを開発したのが、観賞魚の飼料の製造・販売
などを手がける「カミハタ養魚グループ」(姫路市南町、神畑重三CEO)。

メダカ実験は、人類が宇宙で生活する際の食料を確保するため、
宇宙空間で魚養殖が可能かどうかを探る大切な目的。
船内では、日本人女性宇宙飛行士の向井千秋さんらが
メダカの生態や産卵、ふ化を調査。

メダカの宇宙食の名称は「おりひめ」。
東京大の井尻憲一助教授(当時)の依頼を受けてカミハタが開発したもので、
一般の粉末状のえさと異なり、特殊な給餌シリンダーに入るため、
直径約15ミリの丸粒状になっているのが特徴。

水槽がビデオカセット程度と小さいため、水を汚さないことが絶対条件。
水に溶け出したり、メダカがついばんでも飛び散らないよう、
粒自体をスポンジ状とした。
このときの技術は現在、市販のエサに応用。

開発にあたった山本直之さん(46)は、
「物を作る大切さ、面白さ、達成感があった。
井尻先生から、実験が『大成功です』と聞いたときは、『やった』と思った」
と当時を振り返った。

◇次世代旅客機の主翼構造 CFRPで低コスト製法確立-カド・コーポレーション

ヨット製造からスタートした複合材開発メーカー「カド・コーポレーション」
(たつの市龍野町大道)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で
次世代旅客機構造の研究開発支援のため、
6メートルにおよぶ主翼構造を試作。
アルミ合金などより軽量で高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の
低コスト製法を確立。
社員10人のベンチャー企業の夢は海から空へ、さらに宇宙に広がる。

真空パックした炭素繊維に樹脂を注入し加熱して固める
「VaRTM(バータマム)成形」と呼ばれる製法で、
数億円もの加圧窯が不要なため低コストを実現できた。
主翼構造は、既に強度試験をクリア、09年に疲労強度試験を終える予定で、
いずれは国の安全基準モデルになる見込み。

JAXAが構想する超音速旅客機主翼の試作品も製造。
開発中の300度の耐熱CFRPが実用化できれば、
日本版シャトルや人工衛星などへの応用も可能。
倉谷泰成社長(35)は、「独自の技術でさまざまな分野に挑戦したい」と意欲。

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20090101ddlk28040052000c.html

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