(読売 1月5日)
五輪のメダル獲得増を目指して、文部科学省は来年度から、
指導者の給料を国費で丸抱えする新事業をスタート。
日本の「お家芸」を重点強化して、東京都が招致を目指す
2016年夏季五輪でのメダル量産を狙う。
「競技力向上ナショナルプロジェクト」として、
来年度予算案に約6億円を盛り込んだ。
プロジェクトの柱となる「ナショナルコーチ」制度は、
競技団体の要望を受けて新設。
柔道やレスリング、水泳など、日本が得意な17競技に対し、
中長期的な強化責任者として配置。
従来も、文科省が補助事業として給料の3分の2を負担する
専任コーチ制度はあったが、新制度では経費全額を国費で負担して、
国が主体的に強化に乗り出す。
契約期間を、五輪ごとに4年間の長期とするのも特徴。
日本オリンピック委員会(JOC)は、
「五輪のメダルが、スポーツ振興に与える影響は大きい。
フルタイムで安定した地位の指導者は、メダル獲得の追い風になる」
現場のコーチとは違い、ルール改正を巡る情報収集やライバルの視察など、
諸外国の動向を踏まえた強化を専門に行う。
北京五輪で、柔道がポイント重視の潮流を読み切れず、
競泳は英国スピード社製の水着への対応が遅れた反省から、
日本が苦手な分野に力を入れる。
もう一つの柱は、選手を支える「特別支援チーム」の結成。
お手本は、水泳で2大会連続2冠の北島康介が率いた「チーム北島」。
メダルが有望な若手に対し、栄養学や心理学、情報収集・分析など
専門家を集めたチームを組んで、総合的に支援。
今年度中に、対象を8種目に絞り込む方針。
豪州や英国などの強豪国では、国際競技力向上は国家戦略で、
後れをとった日本は五輪で苦戦が続く。
国のスポーツ振興基本計画では、五輪のメダル獲得率
(メダル総数に占める獲得数の割合)の目標は3・5%。
過去最多タイの金16個を獲得した04年アテネ五輪では3・98%を記録したが、
06年トリノ冬季五輪は0・40%、08年北京五輪は2・71%と下落傾向に。
一方、北京五輪の入賞者は計77人と、アテネ五輪と同数に上る。
文科省は「メダルに近い競技を重点的に強化すれば、量産は可能」と期待。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090105-OYT1T00409.htm?from=nwla
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