2009年1月7日水曜日

五輪メダル獲得へ6億円の予算案、「お家芸」重点強化

(読売 1月5日)

五輪のメダル獲得増を目指して、文部科学省は来年度から、
指導者の給料を国費で丸抱えする新事業をスタート。

日本の「お家芸」を重点強化して、東京都が招致を目指す
2016年夏季五輪でのメダル量産を狙う。
「競技力向上ナショナルプロジェクト」として、
来年度予算案に約6億円を盛り込んだ。

プロジェクトの柱となる「ナショナルコーチ」制度は、
競技団体の要望を受けて新設。
柔道やレスリング、水泳など、日本が得意な17競技に対し、
中長期的な強化責任者として配置。

従来も、文科省が補助事業として給料の3分の2を負担する
専任コーチ制度はあったが、新制度では経費全額を国費で負担して、
国が主体的に強化に乗り出す。

契約期間を、五輪ごとに4年間の長期とするのも特徴。
日本オリンピック委員会(JOC)は、
「五輪のメダルが、スポーツ振興に与える影響は大きい。
フルタイムで安定した地位の指導者は、メダル獲得の追い風になる」

現場のコーチとは違い、ルール改正を巡る情報収集やライバルの視察など、
諸外国の動向を踏まえた強化を専門に行う。
北京五輪で、柔道がポイント重視の潮流を読み切れず、
競泳は英国スピード社製の水着への対応が遅れた反省から、
日本が苦手な分野に力を入れる。

もう一つの柱は、選手を支える「特別支援チーム」の結成
お手本は、水泳で2大会連続2冠の北島康介が率いた「チーム北島」。
メダルが有望な若手に対し、栄養学や心理学、情報収集・分析など
専門家を集めたチームを組んで、総合的に支援。
今年度中に、対象を8種目に絞り込む方針。

豪州や英国などの強豪国では、国際競技力向上は国家戦略で、
後れをとった日本は五輪で苦戦が続く。
国のスポーツ振興基本計画では、五輪のメダル獲得率
(メダル総数に占める獲得数の割合)の目標は3・5%。
過去最多タイの金16個を獲得した04年アテネ五輪では3・98%を記録したが、
06年トリノ冬季五輪は0・40%、08年北京五輪は2・71%と下落傾向に。

一方、北京五輪の入賞者は計77人と、アテネ五輪と同数に上る。
文科省は「メダルに近い競技を重点的に強化すれば、量産は可能」と期待。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090105-OYT1T00409.htm?from=nwla

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