2009年1月9日金曜日

県内の福祉施設で導入徐々に スヌーズレン

(岩手日報 1月7日)

色や光、においなどを組み合わせて、心地よい感覚刺激を提供する
「スヌーズレン」をご存じだろうか。

重度の知的障害者が五感を使ってリラックスできるようにと、オランダで発祥。
県内でも障害者施設などで導入しており、利用者の心を癒やしている。

盛岡市で東北初のセミナーが開催され、
関係者は「スヌーズレンの理念を広めたい」と願う。
スヌーズレンは、「くんくんとにおいをかぐ」と「うとうとする」という意味の
2つのオランダ語を組み合わせた造語。
自由に探索したり、くつろぐ様子を表している。
障害者らが本来の自分を取り戻すため、さまざまな刺激を組み合わせて提供。
県内では、障害者施設や県立児童館「いわて子どもの森」(一戸町)などで
取り入れている。
盛岡市手代森の県立療育センター(嶋田泉司所長)は、2004年から導入。
白い布で覆われた部屋に入ると、真ん中の「バブルユニット」と呼ばれる、
水が入った円柱から泡が浮き上がってくる装置が目を引く。
黄色や青、赤など色を変えながら変化。
泡が出るときのボコボコという音も心地よい。
そのほかウオーターベッドやミラーボール、光ファイバーの束、
おもちゃなどもあり、利用者は心からリラックスできる。
同センター育成部児童支援グループ主任児童指導員の照井美樹子さんは、
「暗さや狭さが苦手な人もいて、誰もがリラックスできるわけではないが、
多くの子どもたちは光を追いかけたり、泡の振動を楽しんだり、
思い思いにゆったりと時間を過ごす」と紹介。
スヌーズレンは、治療法や教育法ではなく、効果がはっきりと表れるものではない。
照井さんは、「子どもたちの表情から、気持ちが落ち着いたり癒やされているのを
肌で感じる。ぜひ多くの人に体験してもらいたい」

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