2009年1月4日日曜日

ひざ半月板:再生に道…関節の幹細胞を移植、ラットで成功

(毎日 12月28日)

ひざの半月板損傷を、関節部分から採取した間葉系幹細胞を移植して
治すことに、東京医科歯科大などの研究チームがラットで成功。
米科学誌「ステムセルズ」に発表。

半月板は、ひざの内部にあり、大腿骨とすねの骨の間で
クッションの役割を担う軟骨組織。
けがや加齢で半月板を損傷した場合、半月板を切除する治療が一般的だが、
関節症などを起こしやすい。

チームは半月板を再生させるため、骨や軟骨になる性質がある
間葉系幹細胞を使った。
同細胞は骨髄から取るのが一般的だが、関節の滑膜という組織から採取。

半月板を損傷させた14匹のラットの患部に幹細胞を移植すると、
約12週間で半月板と同じ性質の軟骨に。
小林英司・自治医科大教授(移植・再生医学)らが開発した、
細胞を遺伝子改変によって光らせる技術で調べたところ、
半月板が再生し関節を保護する様子が確認。

半月板が再生した後の間葉系幹細胞は、過剰に増殖する心配がない。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を使う再生医療では、
目的の組織ができた後も増殖が止まらず、
腫瘍になったり他の臓器に移動して奇形を生む恐れがあり、課題に。

関矢一郎・東京医科歯科大准教授(軟骨再生学)は、
「滑膜からの幹細胞は採取しやすく取り扱いも簡単。
数年以内に、ヒトでの臨床応用を始めたい」

http://mainichi.jp/select/science/news/20081228k0000m040096000c.html

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