(毎日 1月1日)
見てくれ、これが播磨の底力だ--。
最先端の播磨パワーが、続々と宇宙に進出。
21日に打ち上げが予定されている東大阪産の人工衛星
「SOHLA-1」(まいど1号)の弟分、「SOHLA-2」(打ち上げ未定)の
アンテナには、西脇市の大手釣り具メーカー「がまかつ」が開発した
カーボン釣りざおが採用。
魚のえさ、金属部品など、宇宙研究や宇宙開発に多大な貢献をもたらした
播磨産まれの製品・技術は数多い。
播磨の技術レベルとチャレンジ精神を思う存分発揮するには、
もはや地球規模では狭すぎる時代。
人工衛星計画を進めている東大阪宇宙開発協同組合(今村博昭理事長)が
開発したのは、雷観測衛星の「SOHLA-1」と「SOHLA-2」の2機。
21日に「SOHLA-1」が打ち上げられ、
無事に衛星軌道に乗れば「まいど1号」と名付けられる。
がまかつの釣りざおが搭載されたのは、「SOHLA-2」。
先行開発された「SOHLA-1」の経験を生かし、組合が基本設計から手がけ、
国内企業の技術を随所に取り入れた発展型衛星。
アンテナは、雷観測用2本。
打ち上げ時は長さ約30センチだが、宇宙でロケットから切り離されて
軌道に乗ると、ガス圧で一気に2・65メートルまで伸び、
先端に付いたアンテナが開く。
衛星の部品は、軽量なほど打ち上げ時の震動によるダメージが少ないうえ、
他の機能を衛星に加えられるなどメリットが大きい。
カーボンざおの設計者、藤村光男・製造部技術開発課顧問(63)が
使ったのが、「長くて軽くて丈夫」なアユ釣り用ざおの製法。
素材は、カーボンの繊維量を増やして厚さ0・3~0・5ミリ、重さ約190グラム
まで軽量化する一方、560キロの力で引っ張っても壊れない強度を持たせた。
通常、さおは伸ばした後に手で継ぎ目をひねって固定するが、
宇宙ではできないため、カーボンの繊維量を調整して継ぎ目の膨らみを
他の部分より抑え、一度伸びると緩まない仕組みを開発。
現在、この仕組みは特許出願中。
近年、コストや利便性の面で衛星の小型化が注目されており、
軽量でコンパクトなカーボンざおについて、
今村理事長は「先端にカメラを付けるなど、将来はさまざまな利用が期待できる」
藤村さんは、「がまかつで培った技術が宇宙で活躍する日を楽しみに待っている」
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◇SOHLA-2
「苦しい時こそ夢を」と、東大阪市の中小企業が集まって
02年12月に設立された東大阪宇宙開発協同組合
(Astro Technology SOHLA)が開発した2機目の人工衛星。
姿勢制御や通信などの機能を持つパネル(縦横約35センチ、厚さ約5センチ)を
複数枚組み合わせて構成され、研究目的や打ち上げ用ロケットの
収納スペースに応じて組み合わせを変えることが可能。
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20090101ddlk28040044000c.html
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