2009年1月10日土曜日

環境の旗手たち:/2 東京電力・姉川尚史さん

(毎日 1月6日)

◇電気自動車普及への立役者、姉川尚史さん(51)

◆09年は、電気自動車の普及元年。

三菱自動車が「アイミーブ」、富士重工業も「R1e」を発売する。
道筋をつけた立役者が、メーカーに開発を働きかけた姉川尚史さん。
ガソリン車一辺倒のクルマ社会が変わり始める。
東電の営業車として2車種、計50台で1台当たり月800キロ走行試験し、
走行距離や電池の劣化速度などのデータを集めている。
エンジン音がなく加速もスムーズで乗り心地は高級車並み。
ファンになってもらえる自信がある。

<入社以来20年間、原子力発電の技術者だった>

学生時代、石油ショックに直面しエネルギーに関心。
でも、消費者に「原発は、二酸化炭素(CO2)の排出量削減や
電力の安定供給に有効」と訴えても、なかなか伝わらない。
原発の必要性を実感してもらえる手段として思いついたのが、電気自動車。
02年、本格的な取り組みを会社に提案。

<東電は04年、技術開発研究所に電動推進グループを設置>

最も苦労したのは、パートナー探し。
電気自動車は、自動車メーカーや電池メーカーなど関係者が
力を結集しないと普及は難しい。
何度も足を運んでいる間に、信頼してもらえるようになり、
05年に富士重工業や三菱自動車と志が一致して前へ踏み出しました。

<姉川さんらは急速充電器を開発し、スーパーや銀行に設置を働きかけ
10分の充電で60キロ、30分で120キロ走行できる。
近場の買い物などには十分な距離だ>

値段の高い電池を数多く積載して走るのは、経済的に見合わない。
1回の充電で何百キロも走らなければと考えているのは、
ガソリン車の固定観念にとらわれているのでは。
現在、充電器は首都圏で22台、来年度は172台に増える予定。
電気自動車は、普及が進めば開発に一段と弾みがつき、
(補助金込みで1台250万~300万円)価格も下がる。
正念場はこれから。
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◇電気自動車

電気でモーターを駆動して走る。
ガソリン車と異なり、走行中は二酸化炭素(CO2)や排ガスを出さず、
地球温暖化対策として有効。
電力を蓄える電池技術が、燃費や走行距離などの基本性能を左右。

ガソリンと電気を併用する現在のハイブリッド車は、
ニッケル水素電池が主流だが、自動車各社は電機メーカーと共同で、
小型軽量で大容量の自動車用リチウムイオン電池の開発を進めている。
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◇あねがわ・たかふみ

東京大大学院修了(原子力工学)。83年、東京電力入社。
原発建設や原子炉の設計に従事。02年、電気自動車事業の検討部門に移り、
03年に技術開発研究所、05年から電動推進グループマネージャー。
熊本県出身。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/01/06/20090106ddm008020027000c.html

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