2009年2月12日木曜日

08年度から医学英語検定制度スタート グローバル化で問われる医学英語の実力

(2009年2月6日 Japan Medicine じほう)

日本医学英語教育学会(理事長=大井静雄・東京慈恵会医科大教授)は、
2008年度から医学英語検定試験(3級・4級のみ)を開始。

将来的には、国際的に活躍できるトップクラスの人材育成に役立てるため、
1級、2級の検定試験制度も導入する計画。

医学英語検定試験(医英検)は、日本の医療・医学の国際化を
普遍的に推進することを目的として、日本医学英語教育学会が
08年度から開始した医学・医療に特化した英語検定試験。

試験は、<1>医学・看護・医療技術書・文献を英文で読む
<2>医学・看護・医療技術などに関する情報を英語で聞き、話し、伝える
<3>医学・看護・医療技術などに関する情報を英文で書き、表現する、
の3つの視点から総合的に評価。

1級-4級までの検定試験制度を整備する予定、
当面の試験は3級と4級のみ。
レベルは、3級=英語で医療に従事できるレベル(医師・看護師・医療従事者、
通訳・翻訳者などを対象)、
4級=医科大・医療系大卒業程度。

学会事務局(メジカルビュー社)からは3級・4級用の教本が発刊。
受験者は、医師、看護師などの医療専門職・医療系の学生だけでなく、
教育、出版、翻訳、通訳など関連業界を含めて幅広い層を想定。

昨年4月に行われた3級(筆記試験とリスニング試験)・4級(筆記試験のみ)の
第1回検定試験には、全国から660人が受験。

まだ始まったばかりであるため、合格者数は公表されていない。
医学英語に特化した検定試験は、世界的にも珍しいこともあって、
医学英語の運用能力を客観的に評価できる指標として注目。

1998年の学会設立時から参画し、医学英語検定試験制度の導入に
尽力してきた理事長の大井氏は、日本の医学英語の現状について、
「医療・医学のレベルは、世界の中でも高いレベルにあるのに、
日本人の医学英語の能力が劣っているため、それが世界に十分示せない。
世界に日本の実績をもっとアピールし、世界のリーダーになるためには、
医師を筆頭に、医療関係者がもっと医学英語のレベルを高める必要がある

医学英語の向上、目標の1つとして医英検を活用してほしい。
大井氏は、ドイツ・ハノーバー国際神経科学研究所の脳神経外科教授を兼任、
小児脳神経外科分野の権威。
国際的に臨床・研究・教育を実践する中で、
日本人の医学英語のレベルの低さを長年懸念。
学会での活動のほか、「医学英語論文表現法辞典」など医学英語の解説本も
多数執筆し、医学英語教育の充実にも力を注いできた。

だが、医療現場ではまだまだ医学英語教育の重要性が理解されていない。
大井氏は、医英検をきっかけに、あらためて医学英語教育に取り組む
医療関係者が増えることに期待。

当面は、3級レベルの能力を持つ医療関係者を増やすことが目標だが、
2級(英語での論文執筆・学会発表・討論、医学英語教育が行えるレベル)、
1級(英語での研究論文の指導、国際学会・会議での座長・議事進行ができるレベル)
の検定試験制度も整備し、世界に通用するトップクラスの人材育成につなげたい。

グローバル化の加速で、今や日本の医療現場も英語での対応を
迫られる機会が増えている。
在日外国人も急増し、医療機関でも医療通訳の必要性が認識され始めている。
海外に仕事や観光で出掛ける日本人も増え、実地医家の医師も英語で診療したり、
紹介状を書けないといけない時代に。

「医師だけでなく、看護師などのコメディカルも、簡単な問診ぐらいは
英語でできないといけない。病院の事務、福祉分野などのスタッフも、
ある程度、医学英語を知っておく必要が。
医療に関係する人たちには、少なくとも3級は取ってほしい。
世界で活躍したい人は、2級、1級を目指してほしい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/6/91296/

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