2009年2月9日月曜日

高齢化に備え歳出抑制策 消費税22%も政府を信頼 「フィンランドの社会保障」 [1]

(2009年2月6日 共同通信社)

フィンランドでは、日本の消費税に当たる付加価値税は22%で、
税金と社会保険料を合わせた国民負担率は日本の1.5倍。

行政サービスも手厚く、雇用保険では、パート労働者と正社員の扱いは同じで、
失業手当の基本部分は最大500日(日本は360日)受けられる。
社会的弱者への支援も充実、障害者は月18回までタクシーを無料で利用。
育児では、児童手当はもちろん、出産時にベビー服一式から
絵本までがそろった子育てパックを支給。

医療や年金なども含めた社会保障給付費(2005年)は、
国内総生産(GDP)比で日本18・6%に対し、26・1%。
教育も重視し、学校の授業料は大学まで無料。

しかし、高齢化による社会保障費の増加がやはり悩みの種。
財務省のユッスィ・フオパニエミ氏は、「このままだと将来、
財政収支のバランスは保てない」と危機感を示す。

▽年金運用見直し

歳出抑制策では、日本と共通する点が多い。
(1)公務員削減や市町村合併、
(2)介護サービスを施設から在宅重視へ転換、
(3)民間活力の導入

介護では、12年までに75歳以上人口の90%以上が自宅で暮らすようにする、
という目標を掲げ、現在ほぼ実現。
年金は、05年に改革を実施。
定年退職年齢を63-68歳の間で選べるようにし、就労意欲を高めるために、
長く働けば年金が増える仕組みとした。
年金積立金の運用方法を、07年に変更。
株式投資などハイリスク・ハイリターンの運用で高収益を目指す。

昨年1-9月は、世界的な金融危機などで7・4%の赤字だったが、
不安の声は出ていない。

▽清潔度世界1位

年金の運用にせよ、高い税金にせよ、国民が受け入れているのは、
政治や行政への信頼感が高いため。
世界各国の汚職を監視する非政府組織(NGO)
トランスペアレンシー・インターナショナルの07年の「清潔度」順位で、
フィンランドは1位。

すべてがうまくいっているわけでもない。
医療は、自治体が運営する「保健センター」の主治医にかかることが原則。
しかし医師不足のため、歯の治療などで予約を入れようとしても
数カ月待ちが珍しくない。

▽医療めぐる相違

現地に住んで15年になる森下圭子さん(39)には、こんな体験が。
花粉症が悪化し声が出なくなってしまったため、保健センターへ行くが、
医師の診察の前に行われる看護師との面会が3時間待ち。

いったん帰宅し、看護師と面会するが、「主治医の診察は3時間後」と再び帰宅。
ようやく主治医の診察を受け、薬の処方を頼むが、
「街の薬局で買って」と断られた。
森下さんは、「高い税金の見返りがこの医療では...」と憤る。

終末期医療についても、日本とは考え方が異なる。
「高齢者に積極的な医療はしない。それが国民的な合意になっている。
延命治療はあまり効果がなく、むしろ苦痛を与えるだけだ」、
国立保健福祉研究所のハリエット・フィンネ・ソベリ上席研究員。

「患者権利法」で、終末期に関する希望を聞くことが義務付けられ、
多くの国民は「自然な」最期を望む。
こうした事情を反映してか、公的医療費のGDP比は日本をやや下回っている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/6/91289/

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