2009年2月9日月曜日

離島で学ぶ(4)遠隔教室、ネットで直結

(読売 1月31日)

遠隔学習システムが離島の学びを変える。

スクリーンに、目隠しをした米国人の子供が、
福笑いに挑戦する姿が映し出された。
「ライト(右)、ライト……ストップ!」。
映像を見ながら、「耳」や「目」の位置を英語で伝えるのは、
約300キロ離れた沖縄県宮古島市立下地小学校の5年1組の子供たち。

昨年11月に同小で行われた英語活動の授業。
インターネット回線を使ったテレビ会議システムで、
同小と、沖縄本島にある県立総合教育センター(沖縄市)を結んだ。
米国人の子供たちは、近くの嘉手納基地内に住む小学生。

下地小の子供たちは、英語で自己紹介をし、得意の三線の演奏を披露する。
基地の子供たちは、映像を見ながら手拍子を打ち、学校の様子を写真で紹介。
最初は恥ずかしそうだった日米の子供たちだが、
最後は互いのスクリーンに向かって手を振っていた。

昨年7月、1組の児童に英語活動について聞いたところ、
23人中21人までが「外国の人と友達になりたい」と答えた。
しかし、島で外国の子供たちに出会える機会はほとんどない。
授業を企画した平良悦子教諭(40)は、「画面越しであっても、
言葉が通じる喜びを感じた子供たちの学習意欲は高まるはず」

沖縄県は小中学校約450校のうち、4割が国のへき地校の指定。
指定の8割は離島の学校。図書館や書店がない島も。

そんな地域の学習を支援するのが、県立総合教育センター
3億円を投じて開発した遠隔学習システム「美ら島e―net」の運用が、
今年度から本格的に始まった。テレビ会議のシステムも、その一部。
教員はIDとパスワードがあれば、県内のどの学校ともつなげることが可能。

美ら島e―netには、県内の教員らが作成した約4万件の教材が蓄積され、
子供たちは、その教材を使って自習ができる。

下地小の子供たちがテレビ交流した同じ日、
全校児童24人の宮古島市立宮島小では、4年生2人に億や兆など
大きなけたの計算の指導をする鶴町利之教諭(37)のそばで、
3年生4人が黙々とパソコンに向かっていた。
netから引き出した教材で、「時間」や「体積」など、算数の問題を解いていた。

「複式学級で、他学年の指導をしている間も、子供たちが自分のペースで
苦手な問題に取り組める。
どの問題でつまずいたかも、教員用のパソコンからすぐに把握できます」
離島に多い複式学級を持つ学校では、
netの活用が、教員の負担軽減にもつながっている。

こうしたシステムを利用できるのはまだ42校だが、
新年度には、県内すべての離島やへき地の学校に導入。
センターでは、小学校の英語活動の授業に対応するため、
ネットで学べる英語教材の準備も急いでいる。

子供たちに不利だと感じさせない教育環境の整備は、
行政の大きな責任と言える。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090131-OYT8T00242.htm

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