2009年2月8日日曜日

低コスト製造技術を開発 岩手生物工学研究センター

(岩手日報 1月31日)

岩手生物工学研究センター(北上市、内宮博文所長)は、
稲わらからバイオエタノールを低コストで製造する新技術を開発。

新発見したタンパク質「CW31」で、セルロース(繊維質の主成分)の結束を
緩めて酵素分解効率を高め、アルコール発酵に必要な糖質への変化を促す。
従来の製法に比べ、コストは約半減。
県は新技術を特許出願。
食用部分を使わないバイオエタノールの実用化へ一歩前進。

セルロースからバイオエタノールを精製するには、
グルコースという糖質に変化させる必要があるが、
強固な束状のセルロースをいかに分解するかが課題。

同研究センターは、いもち病菌から新タンパク質「CW31」を取り出すことに成功。
セルロースの分解にはセルラーゼという酵素を投入するが、
「CW31」により、セルロースの結束が緩むため、
セルラーゼの投入量が少なくて済む。

これまでの手法では、セルラーゼの経費がバイオエタノール製造費の
5、6割を占める。
新技術を使うと、コスト(施設の設置費用と人件費は除く)は
従来の1リットル200円から80-120円に下げる。

施設の設置費用や人件費を含むと、現在1リットル100円ほどの
ガソリンの価格を大きく上回ることが課題。
コストを下げるさらなる技術開発が必要で、
化学系企業と共同で実用的な生産技術の開発を進める。

技術を開発した同センターの竹田匠主任研究員は、
「遺伝子を変化させて、CW31の力を高めるとともに、
CW31を大量に増やす技術を開発してさらなる低コスト化を図りたい」

県は、2020年度を目標にエネルギーの地産地消を目指す
「いわてバイオエネルギー利活用構想」を08年3月に策定。
バイオエタノールの生産技術確立や、原料となる多収量米の
低コスト生産などに取り組んでいる。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200901/e0901311.html

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