(東海新報 4月1日)
国交省東北地方整備局釜石港湾事務所が、
整備を進めていた赤崎町永浜地区の水深13㍍岸壁が完成。
21年度も県による岸壁背後のふ頭用地整備が計画、
同港安全対策協議会では、5万㌧級の貨物船を使った試験荷役を行う。
船舶大型化への環境整備が進む中、
今後は湾内養殖漁業者らとの〝共存〟の重要性も高まりそう。
永浜地区岸壁(水深13㍍)整備は、平成6年から国直轄で着手。
延長260㍍、事業費は120億円で地盤改良や杭打設、
L型ブロック据え付けなどが行われてきた。
19年度末、延長約190㍍部分が完成。
20年度、残りの70㍍部分の岸壁整備を行い、岸壁背後に広がる
ふ頭用地部分の埋め立ても進められてきた。
ふ頭用地部分は県による事業で、埋め立て完了は22年度、
土砂の沈下促進や舗装作業を経た最終的な完了時期は24年度。
臨港道路の整備完了も同時期を見込む。
同岸壁の整備によって、整備から30年以上が経過した茶屋前岸壁の
老朽化をはじめとした港湾機能再編とともに、
同地区の親水空間整備要請にも対応できる。
船舶大型化に対応することで、一括大量輸送が可能となり、
輸送コストの低減や環境負荷の低減も期待。
大船渡港では、完成に合わせ、5万㌧級の貨物船を入港させて行う
試験荷役を予定。
入港する『Hayama Star』は、全長188.5㍍、船幅32.3㍍、52900㌧、
同港を利用する貨物船としては過去最大規模。
石油コークスを約5万㌧積載して入港。
試験では、水深13㍍岸壁において、別の小型船に石油コークスを
積み替える「瀬取り」を行い、茶屋前ふ頭などに運搬。
13㍍岸壁で石油コークスを降ろし、ダンプ車による陸送も計画。
大型船を入港させることで、大型貨物船航行、荷役作業の安全性を確認、
周辺地域の生活環境に対する影響を調査。21年度、4回程度行う。
岸壁完成によって、大船渡港における機能向上や貨物増への期待が強まる。
湾内では、珊瑚島付近などの水路幅が狭く、カキをはじめ養殖施設も
多いため、漁業者といかに〝共存〟するかが課題。
大船渡市漁協の志田安雄組合長は、
「大型船が入ることで、我々の漁業活動が縮小されることがあっては困る。
道路に大型ダンプが通れば危険を感じるように、
漁業者も精神的な不安も生まれる。
今後は、一層きちんとした説明や調整が必要となる」
http://www.tohkaishimpo.com/
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