(朝日 2009年4月3日)
宇宙で太陽エネルギーで発電し、地上に送って電力利用する
「宇宙太陽光発電」の技術開発に、日本が乗り出す。
政府の「宇宙基本計画」に盛り込まれる見通し。
3~5年後を目標に、小型の人工衛星を打ち上げ、
発電や送電の技術を確かめる実証試験に入る。
宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)の専門調査会で、
基本計画の骨子案が示され、「宇宙太陽光発電」を
環境・エネルギー対策の先端的研究に位置付けた。
小型衛星による実証試験後、経済性などを見極め、実用化に向けた検討に。
人工衛星に取り付けた太陽電池パネルで発電し、
大気や雲に吸収されにくい電磁波に変えて地上に送る案が検討。
宇宙空間は天候に左右されず、昼夜を問わず安定した発電が可能。
地上の5~10倍の効率で発電できると試算。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が中心となって基礎研究を進めてきた。
宇宙太陽光発電は、欧米でも検討されているが、
人工衛星を打ち上げて試験する段階には達していない。
実現には、太陽光を効率的に電磁波に変えたり、
それを地上に安全に送ったりする技術開発などの課題。
月への有人探査について、骨子案は、1~2年程度をかけて
意義・目標などを改めて検討するなど、具体的な目標時期は示さなかった。
月探査は、当面は二足歩行ロボットによる無人探査を優先する方針を示し、
20年ごろの実現を目指す。
素案には、「25~30年ごろ、ロボットと宇宙飛行士が連携した
本格的な探査計画」という表現が盛り込まれたが、
有人探査には巨額な資金がかかり、人命のリスクも伴うため、
専門調査会で「弾力的に考えた方がいい」といった意見。
http://www.asahi.com/science/update/0403/TKY200904030062.html
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