(読売 4月3日)
IOC評価委員会(ムータワキル委員長)が、
2016年夏季五輪招致に立候補している4都市を、シカゴ(米)、東京、
リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)の順に訪問。
IOC総会(10月)での投票1か月前に公表される評価委の報告書は、
技術的な開催能力面に限り、4都市の長所、短所を詳細に分析。
世界同時不況下での視察とあって、財政面に特に注目した調査に。
ジャック・ロゲIOC会長は、3月米デンバーで開かれたIOC理事会で、
「評価委は、(各都市の招致計画の)財政面に特別な注意を払うことに。
(未来を見る)水晶玉を持っているわけでなく、評価は容易ではない。
開催都市を決めるのは10月で、五輪開催は、その7年先。
評価委は、4都市によって約束された保証の質の高さを見ることになる」
東京と同様に、政府の全面的な財政保証を得ているリオデジャネイロの
招致を率いるカルロス・ヌズマンIOC委員は、
ここまで同僚の委員と話をした感触として、
「財政面は、委員が開催都市を決める際の大きなポイントの一つ。
IOCは、五輪開催に当たってどれだけの安定性と保証があるかを見る」
社会インフラ整備を含むと、総額144億ドル(約1兆4230億円)と
破格の予算や、14年サッカーのワールドカップ(W杯)と同時並行となる
準備に無理がないかに、視察の主眼。
法律上連邦政府の保証が得られず、州政府と市による予備費計上で
まかなうシカゴは、「十分な額が計上されており、IOC委員の誰からも
不足だという指摘は受けていない」(パトリック・ライアン最高経営責任者)
ロゲ会長が、「我々はより強い形での保証を求めているが、
実現できるかは分からない」と、皮肉を込めたのとは食い違っており、
シカゴでの評価委の調査でのポイントに。
スペインの経済状態悪化が取りざたされているマドリードは、
上限付きの政府財政保証をどう説明するか。
ロビー活動をやや苦手とする東京は、評価委報告書で
首位に立つぐらいの強みを得ておくことが必要。
元陸上選手で、12年五輪招致の評価委も率いた
ムータワキルIOC理事に対し、常に選手のためという視点を持ちながら、
交通、後利用計画、環境面などを誠実に説明することが必要。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/syouchi/sy20090403_01.htm
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