2009年4月10日金曜日

4候補地 財政面に注目

(読売 4月3日)

IOC評価委員会(ムータワキル委員長)が、
2016年夏季五輪招致に立候補している4都市を、シカゴ(米)、東京、
リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)の順に訪問。

IOC総会(10月)での投票1か月前に公表される評価委の報告書は、
技術的な開催能力面に限り、4都市の長所、短所を詳細に分析。
世界同時不況下での視察とあって、財政面に特に注目した調査に。

ジャック・ロゲIOC会長は、3月米デンバーで開かれたIOC理事会で、
「評価委は、(各都市の招致計画の)財政面に特別な注意を払うことに。
(未来を見る)水晶玉を持っているわけでなく、評価は容易ではない。
開催都市を決めるのは10月で、五輪開催は、その7年先。
評価委は、4都市によって約束された保証の質の高さを見ることになる」

東京と同様に、政府の全面的な財政保証を得ているリオデジャネイロの
招致を率いるカルロス・ヌズマンIOC委員は、
ここまで同僚の委員と話をした感触として、
「財政面は、委員が開催都市を決める際の大きなポイントの一つ。
IOCは、五輪開催に当たってどれだけの安定性と保証があるかを見る」

社会インフラ整備を含むと、総額144億ドル(約1兆4230億円)
破格の予算や、14年サッカーのワールドカップ(W杯)と同時並行となる
準備に無理がないかに、視察の主眼。

法律上連邦政府の保証が得られず、州政府と市による予備費計上で
まかなうシカゴは、「十分な額が計上されており、IOC委員の誰からも
不足だという指摘は受けていない」(パトリック・ライアン最高経営責任者)
ロゲ会長が、「我々はより強い形での保証を求めているが、
実現できるかは分からない」と、皮肉を込めたのとは食い違っており、
シカゴでの評価委の調査でのポイントに。

スペインの経済状態悪化が取りざたされているマドリードは、
上限付きの政府財政保証をどう説明するか。

ロビー活動をやや苦手とする東京は、評価委報告書で
首位に立つぐらいの強みを得ておくことが必要。

元陸上選手で、12年五輪招致の評価委も率いた
ムータワキルIOC理事に対し、常に選手のためという視点を持ちながら、
交通、後利用計画、環境面などを誠実に説明することが必要。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/syouchi/sy20090403_01.htm

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