(読売 3月16日)
貧困層が多く、リサイクルへの関心が高まらなかったブラジルで、
ペットボトルなどを再利用した衣装が話題。
1人の女性の20年にわたる努力が、
「ゴミの寄せ集め」といった批判もはねのけてみせた。
ワンピースの胸元で、ひし形にカットした無数のクレジットカードが光沢を放つ。
ペットボトルや廃タイヤも裁断して“生地”に使い、
缶のプルタブで彩りを添えれば踊りの衣装に早変わり。
サンパウロ在住のリサイクルデザイナー、コンスエロ・マットロニさん(49)の
作品は、布以外の素材もドレスアップに利用する斬新さが特徴。
大学卒業後、貸衣装屋を始めた。
古着を染色し、たばこの焦げ跡は花柄の刺しゅうで“修復”するなど、
リサイクルの面白さに目覚めた。
牛乳のプラスチック容器の使い道を考えるうち、
裁断して洋服に再利用することを思いついた。
長い間、周囲の反応は鈍く、10代のめいも「ブランド品の方がいい」と
見向きもしなかったが、「いつかは理解される」と、
素材の種類を増やし続けた。
転機が訪れたのは昨年。
地元テレビ主催のファッションショーに出品し、
その様子がネットで取り上げられた。
モデルの体に斬新なデザインが映え、問い合わせが殺到。
めいも、高校の卒業パーティーに着ていきたいとねだるように。
成長途上のブラジルでは、国民の4人に1人が貧困層。
リサイクルへの関心は低く、都市部でさえ、ゴミの分別は徹底されていない。
最近では、同様のリサイクル服に取り組む人も増えてきた。
マットロニさんは、「貧困層も洋服に相当なこだわりがある」、
ブラジル人特有の美意識を、リサイクルに結びつけようと張り切っている。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/stream/20090316-OYT8T00734.htm
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