2009年11月10日火曜日

新しい波/320 ラグビーの五輪復帰/1

(毎日 10月17日)

「10月9日」は、ラグビー界にとって歴史的な日。
国際オリンピック委員会(IOC)総会で、
16、20年夏季五輪での7人制ラグビーの実施競技入りが決定。
「五輪競技になれば、新たな観客を呼び込み、
資金を生みだせる。ビジネスの機会も作り出せる」

国際ラグビー機構(IRB)のベルナール・ラパセ会長は、
商業的成功に期待を寄せる。
IRBが目指す世界市場開拓の延長線上に、「五輪」はあった。

1924年までの4回の五輪では、ラグビーは15人制で実施。
7人制での復帰となったのは、IOCの五輪改革に合致した。
試合時間は、一般的に前後半各7分と短く、
テレビ放映には好都合。
1チームあたり1日2、3試合が可能。
五輪では、男女各12チームによる2~4日間の短期開催が計画、
競技会場も確保しやすい。
15人制では世界ランク42位のケニアが、
3月の7人制ワールドカップ(W杯)ドバイ大会で4強入りするなど、
大国以外のメダル分散化も期待。

7人制ラグビーは、1883年にスコットランドで始まった。
欧米やアフリカなど世界8都市を転戦する国際シリーズを展開し、
08~09年シリーズでは計50万人近くが観戦。
W杯ドバイ大会では、3日間で男女計98試合を行い、
7万8000人を集めた。

世界市場開拓を進めるIOCやIRBをよそに、
国内では地道な取り組みも始まっている。
小学生へのタグラグビーの普及もその一つ。

日本協会は、小学館との連携を発表し、
解説本などの出版を通じて普及に力を入れ始めた。
19年、15人制W杯の日本開催も決まっており、
日本協会の熊木陽一郎・競技普及部門長は、
「タグを入り口に、ラグビーが文化として根付くように努めたい」

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20091017ddm035050165000c.html

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