(読売 11月5日)
身近な動物園が、授業や社会学習に活用されている。
「外国産も含めた希少動物の繁殖と研究を行っている
専門施設は、国内ではここだけ。
絶滅危惧種のカンムリシロムクは、原産地のインドネシアで激減し、
ここで繁殖させ、2003年から70羽をインドネシア政府に送りました」
横浜市旭区の市繁殖センター。
飼育技師の白石利郎さん(47)の説明を聞くのは、
神奈川県立横浜旭陵高校の生徒ら14人。
希少動物9種約200頭を飼育する同センターは、通常非公開だが、
この日は、単位制普通科である同校の選択科目
「Zoology(動物学)1」の授業のため、特別公開。
生徒らは、カンムリシロムクやカグーなどの鳥やブラジルバク、
マレーバクなどの飼育状況を見学、
オランウータンやペンギンの精子を、顕微鏡を通した映像で観察。
同校2年の萩原誉さん(16)は、
「将来は飼育員を目指したいが、絶滅する直前の動物を助け、
繁殖させる保護活動にも興味を持った」
04年に始まった「Zoology 1」は、動物園の概要を理解し、
「動物と人間の関係」を考えるのが狙い。
展示されている動物の観察のほか、動物園の歴史を学び、
同センターに隣接するよこはま動物園・ズーラシアで
飼育されている動物の調査研究も。
「Zoology 2」(08年開講)では、家畜などに学習の幅を広げ、
同園にいる動物の研究を深めて客の前で解説。
担当の山田富士彦同校教諭(41)は、
「動物園は、動物と人間の接点。
もともと野生であったはずの動物が飼育・展示されている様子を
観察し、勉強することで、人間との関係を再考してほしい」
「東山動物園のクロサイの角が短いのは、野生のサイと違い、
ストレスから自分で角を削ってしまう」、
「角が漢方薬に使われるため密猟され、
世界に3700頭くらいしかいない」
名古屋市千種区の東山動物園。
小学校3~6年生40人が、同園で飼育中のニシゴリラ、ヒグマ、
口之島牛など7種類の動物について、一般の客を前に解説。
同園で、2年前から行われている「東山こどもガイド」
飼育舎を掃除して飼育担当者から話を聞き、
説明用パネルなどを作り、ガイド練習をしたうえで
本番に臨む計3日間のプログラム。
岐阜大学、椙山女学園大学、帝京科学大学などの
学生リーダーたちが指導。
クロサイのガイドをした5年生の原田悠利君(10)は、
「動物のことをたくさん勉強できた。
人にも教えてあげられてよかった」
地元の青年会議所メンバー有志などで構成する主催団体
「東山動物園くらぶ」代表の堤創さん(37)は、
「大好きな動物の知識を、人のために生かす体験になれば」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091105-OYT8T00325.htm
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