(毎日 10月31日)
「友達はすり傷を見ると、『痛そうだね』って言う。
でも、仲間意識も高くて楽しい」
女子15人制の日本代表候補合宿で、
最年少のSH井上愛美(18)=千葉・鎌ケ谷高3年=は、
懸命に楕円球を追った。
井上は、男女の7人制が実施される16、20年五輪で、
中核となる世代で、「五輪に出たい」と夢見る。
女子の日本代表は、これまで5回開催された
15人制ワールドカップ(W杯)に3回出場、通算2勝10敗。
前回はアジア予選で敗れ、06年の本大会を逃した。
7人制は、今春の第1回W杯(ドバイ)で4戦全敗。
男子同様、ニュージーランド、イングランドが強豪だが、
日本との実力差は大きい。
アジアでは中国、カザフスタンがライバル。
日本女子ラグビー連盟によると、国内の競技人口は約1000人。
主体はクラブチームで、連盟所属は全国で26。
国内で女子ラグビーが本格的に広まったのは、
80年代前半と歴史が浅いだけに、
同連盟の岸田則子専務理事は、「まず認知してもらうことから」
強化でも、難題が多い。
代表クラスの選手の職業は、契約社員や教員、学生など
さまざまで、合宿で休暇を取るにも周囲の理解が必要で、
社業との両立が保障されているわけではない。
中学や高校、大学で部活がほとんどなく、
競技を続ける場所も限られる。
井上の場合、普段は高校の部活で男子と練習しているが、
卒業後は週1回のクラブチームでの練習。
「このまま続けると、将来の職業の選択幅も狭まりそう」と不安。
岸田専務理事は、「過去に行った代表のセレクションでも、
いろいろな競技の経験者が参加したが、
女子ラグビーの環境を知らない人が多く、
10人くらい選んだのに結局1人しか残らなかった」と苦い経験。
五輪採用で注目を浴びる女子。
この冬の男子の全国高校大会で、女子のユース世代による
エキシビションマッチが計画されるなど、
新たな取り組みが始まったばかりで、
強化と普及の両輪の取り組みが急務。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20091031ddm035050025000c.html
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