2009年12月30日水曜日

幼児教育(4)身近な漢字少しずつ

(読売 12月19日)

幼児期に漢字に触れさせ、知的好奇心を刺激する。

「なぞなぞです。〈1〉顔にあります、〈2〉赤い色です、
〈3〉中には白いものが見えます」
「口!」

東京都杉並区の区立堀ノ内幼稚園。
小学校入学を翌春に控えた年長児が、山田和美教諭(50)の出す
なぞなぞや、絵合わせゲームなどに興じていた。
使っていたのは、「石」、「空」、「山」などの漢字が
絵柄とともに書かれているトランプ大の「漢字カード」。
杉並区教委が作成し、区立の全6園で昨年度から導入。

「幼稚園教育で漢字を」という区教委の方針は、
小学校入学後の学力向上も視野に入れたもの。
当初、現場の教師や保護者からは、拒否反応があった。

2007年度の1年間、区立幼稚園の漢字教育プログラム検討会の
委員を務めた同幼稚園の川副園美・副園長(51)も、
就任当初は消極派。
「幼児は、教えればどんどん覚えるが、小学校で漢字を初めて
習った時の新鮮さは失われる。
友達との交わり方など、幼稚園で学ぶべき事はほかにある」
幼児教室などに通い、「漢字が書けるよ」と得意げに話す園児がいても、
「そうなんだあ」と素っ気ない対応で聞き流していた。

検討会委員に就任したため、とりあえず子どもたちの日常にある
漢字を撮影し、年長児に見せてみた。
道路に書かれた「止まれ」、電柱にある住所表示など、
ほとんどの園児が読めることが判明。
「身近なものなら、知的好奇心を刺激する教材として
活用してもいいのでは」と、考えを改めた。

検討会での議論もあり、遊びながら学べる教材として、
漢字カードを作ることに。
採用する漢字は、養護学校の教科書などを参考に、
子どもの生活に身近で、形から意味をイメージしやすい20字を選んだ。
4枚ずつ計80枚のセットにし、
裏には区のキャラクター「なみすけ」を描いた。

使い方も工夫した。
いきなり漢字カードを使うことはせず、
年長になった4月ごろに曜日などを漢字で書いたカレンダー、
6月ごろには漢字の名札などと、生活の中の漢字を
少しずつ増やしていく。
12月ごろから、遊びの中で漢字カードを使い始め、
読みや意味を教え込むことはしないことにした。

川副副園長によると、子どもたちはカードで遊ぶうちに、
「川副先生の『川』の字だ」などと興味を示す。
自分たちで同じカードを作ったり、カードに取り上げていない
車などの絵を描き、先生に漢字を書いてもらったりするようになる。

描かれている絵で、漢字の意味をイメージするため、
中には「虫」を、「カブトムシ」などと読む子どももいるが、
川副副園長は「知識として与えるよりも、『なんて読むんだろう』という
興味の気持ちを大事にしたい」

身近な生活に結びつけた遊びの中で、
子どもたちが漢字に親しんでいる。

◆メモ

漢字は、間違った書き順や形を覚えて小学校に入学すると、
覚え直すのに苦労することがある。
杉並区教委は、家庭などで行きすぎた指導をしないよう薦めている。
「なんて読むの?」と質問してきたら答えるなど、
知りたい欲求を満たすことが効果的。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091219-OYT8T00248.htm

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