2009年12月29日火曜日

新しい波/327 フェンシング界その後/上

(毎日 12月12日)

東京都新宿区内のスポーツセンターに、
約100人の小学生が集まった。
昨年の北京五輪フェンシング男子フルーレで2位となり、
日本勢初のメダルを獲得した太田雄貴(森永製菓)が
企画した、小学生の大会「太田雄貴杯」。

太田の呼び掛けに賛同した森永製菓が主催、
日本フェンシング協会も後援に名を連ねた。
太田の活躍を見て、2月から競技を始めた岐阜県の
笠松町立松枝小3年、一柳龍之介君(9)は、
「太田選手に会えると思って応募した」と目を輝かせた。

太田は、「(昨年11月の)森永製菓への入社前から
やりたい大会だった」と明かす。
日本協会によると、小学生の全国大会は年2回。
競技人口が少なく、予選を行わない地域も。
太田は、「世界では、小学生から始めるのがスタンダード。
この時期から始められると、相手との距離感を培うのに有利」
海外のように、子どもたちに切磋琢磨する場を提供したい、
というのが狙い。

出場資格は、競技歴1年以上か、地域の大会などに
2回以上出場したことのある選手。
「『強いから出られる』というのとは、違う大会にしたかった」と太田。
昨年の男子フルーレ全日本選手権覇者の福田佑輔(警視庁)らの
協力も得て、日本代表選手が、優勝者に胸を貸した。
トップ選手たちには、競技を始めて間もない選手にも
大会を楽しんでもらい、小学生レベルから競技を活性化させたい、
という共通の意識。

小学生の日本協会登録選手数は、今年度が約510人。
昨年度の約440人から、北京五輪を経て1割強増えた。
「五輪しか注目してもらえない」と、人気スポーツではない現実も
認識している太田。
底辺の環境をどう整えるか?
12年ロンドン五輪での金メダルを目指しながら、
第一人者は普及にも取り組んでいる。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20091212ddm035050113000c.html

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