2009年12月27日日曜日

逆風の中で:第7部・地域プロ/6止 安定化へ基金創設

(毎日 12月20日)

キーワードは「自立」。
男子バスケットボールのbjリーグが、創設5シーズン目を迎えた
今季、節目を迎えようとしている。
bjリーグは05年11月、6チームでスタート。
毎年、新規参入球団を受け入れ、09~10年シーズンは
13チームが、東西カンファレンスに分かれてリーグ戦。
これからも、参入希望について広く門戸を開く方向。

「3年目ぐらいまでは、『リーグやチーム同士、互いに助け合って』と、
一緒になって動いてきた。
今季からは違う。
各チームが自立するための時間は、十分あったはず。
こういう経済状況の中、新しいチームには、他チームに
協力することはできないという前提がある」と河内敏光コミッショナー。

具体化のための一例は、チーム運営会社の経営安定化を
目的とした基金を今季中に設けること。
1チーム1500万円をメドに基金を積み立て、
経営難に陥った運営会社に融資する。
大分が経営危機に直面した際、リーグは役員を送り込むなど
再建支援に主導的な役割を果たしたことがある。
ただし、「これは最初で最後」(河内コミッショナー)。
サッカーJ1の大分が、Jリーグの積み立ててきた
「公式試合安定開催基金」から、来年1月末までに
最大6億円の融資を受けることが決まった。
bjリーグが設ける基金も、同じ効果を狙ったもので、
側面支援重視にシフトすることを意味。

参入段階で、厳しい審査を設ける方針も固めている。
東京や高松、大分など、比較的早い段階からリーグに参加している
チームの経営難が、相次いで表面化していることについて、
河内コミッショナーは、「経営者が頻繁に交代するチームは、
やはり何らかの問題を抱えている。
厳しい審査をクリアした新規参入チームについて、
経営面の心配はしていない」

特別な事情がない場合、運営会社の年間収支ラインは
2億3000万円程度。
8000万円の入場料収入があれば、スポンサー収入などでクリア。
これを踏まえ、bjリーグでは参入チームに対し、
1年目からこの収入レベルを見込める事業計画の策定を求めている。

昨季は、沖縄や仙台のチケット売り上げが1億円を超えた。
これらの地域では、「ホームタウン制、地元密着型チーム経営により、
支持基盤の安定・拡大を図る」という「bjリーグ宣言」の理念が
浸透しつつあるようだ。
成功したビジネスモデルを、各球団が共有できるかが、
bjリーグの将来を左右する。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/12/20/20091220ddm035050127000c.html

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