(日経 2009-12-26)
2010年は、サッカー・ワールドカップや冬季オリンピックの
開催年で、スポーツ関連商戦が盛り上がると期待。
ゴルフでも、09年度の男子賞金王、石川遼選手が
マスターズ・トーナメントなど、「四大メジャー大会」に参戦。
成績次第では、ゴルフがいっそう脚光を浴びる年に。
宮里藍選手が、プロデビューしたのが03年。
横峯さくら選手ら同年代がしのぎを削る女子トーナメントは
盛り上がり、05年には1トーナメント当たりの入場者数で、
女子が男子を逆転。
ゴルフ人気は若年層に波及し、ゴルフ場をはじめ、
ウエアなどの関連市場が活性化。
それでも、不安要素がある。
市場を支えてきたコア層の溶解は、確実に進んでいる。
ここ数年、トッププロの活躍という追い風を、市場拡大に
つなげてきたのは、アコーディア・ゴルフや
パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス
(PGMグループ)といった、新興ながら大手に躍り出た
ゴルフ場運営チェーン。
低料金でプレーできるメニューをそろえ、友人グループや親類ら、
「社用族」とは一線を画す需要層の開拓に成功。
カップルの2人利用も、積極的に受け入れる姿勢を強める。
その両社が、職場では第一線を退いた60代男性に
目を向け始めている。
再び利用頻度の高いヘビーユーザーになり得る、
元「社用族」をひき付ける戦略。
地場の組織や趣味のグループなどに営業をかけて利用を促し、
利用者の底上げを図る。
会社組織を離れた、元ゴルファーを組織化する工夫にも余念がない。
この戦略は間違っていないし、多様な低料金メニューを提示すれば、
需要喚起に成功するだろう。
開拓余地のあるターゲットが、次第に狭まってきた。
すでに開拓した女性や若年層の反復利用に、限界も。
客単価を落としても、敏感に客数に跳ね返らなくなっている。
若い女性の参入者で、年間10回以上ゴルフ場に出かける人は
多くはない。
ゴルフ場を繰り返し訪ねるのは、なんらかの形で
仕事の影をひきずるからだ。
まったくプライベートの趣味、となると、他のレジャーや
ショッピングなどと競合する。
接待など、企業がプレーフィーを負担するような
需要が戻ってくるとは思えない。
2大チェーンでさえ、成長の踊り場を迎えかねない正念場。
ゴルフ場の多くが強い逆風をこらえられるか、予断を許さない。
系列化がいっそう進むだろう。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo091225.html
0 件のコメント:
コメントを投稿