(日経 1月7日)
不況を乗り切るため、多くの企業が緊急避難的に
人員削減や事業縮小などを実施。
将来の成長を展望した「未来戦略」を打ち出せなければ、
活力を失う。
未来戦略を作る際のポイントを、
フューチャーマネジメントアンドイノベーションコンサルティング
(FMIC)のコンサルタントに解説。
Q未来戦略とは何か?
「企業や事業の未来を描き出し、その実現のための
効果的・戦略的なアプローチを構想すること」と定義。
忘れてはならないのは、「未来は来るものではなく、自ら創るもの」
時代の変化に流されるのではなく、能動的・先導的にかかわる
姿勢が求められる。
「今日の経営」と「未来の経営」という2つの視点で考えてみる。
今日の経営とは、3年程度の短中期のビジョンに沿って
戦略を立案・実行すること。
すでに手がけている事業の成長・競争・収益力強化戦略が中心。
未来の経営とは、3~10年先の中長期のスパンで考える経営。
顧客や社会にどのような新しい価値を提供するのか、
新規事業をどのように生み出すのかといった課題に対する答え。
未来への種まきや未来の準備とも言い換えられる。
両者は車の両輪のような存在で、どちらか一方だけが
重要というわけではない。
今日の経営は、「合理的思考」、「左脳的思考法」が要求。
未来経営では、「デッサン的思考」、「右脳的思考法」の比重が大きい。
今日の経営と未来の経営を有機的に融合した経営スタイルを、
「未来戦略経営」と呼ぶ。
この経営スタイルは、当社が多くの先進企業との共同研究を通じて
体系化したもの。
当社が、2009年に先進企業80社に行った調査では、
「未来戦略経営が実現している」企業は全体の1割強。
今のような厳しい経営環境が続くと、
企業は今日の経営や目先の課題への対応に忙殺されがち。
「失われた10年」と言われた1990年代にあっても、
着実に未来への準備をした企業はあった。
そうした企業が、00年代初頭の「勝ち組」になった。
未来戦略の有無が明暗を分けた。
未来とは、単なる夢物語や時間的な概念ではない。
事業発展の可能性発掘と実現への行動改革を意味。
日本企業は、世界的にみても優れた潜在能力を持っている。
技術や人材の力を引き出し、新たな成長を図るには、
経営者や管理職が能動的に自社の未来を描いて
行動することが求められる。
未来と聞くと、「それは時期尚早だ」、「まずは足元固めだ」といった
声をあげる人もいる。
もっともな意見。
社会の価値観の変化が激しくなっている今のような時代では、
結果的に何も変えないことが最もリスクの高い選択になっている
可能性がある。
次回以降、未来戦略経営の実践モデルにそって、
戦略立案のためのツール(フレームワーク)を紹介。
前半では、今日の経営の質をあげるための基本ツールに触れ、
後半では、未来の経営に必要な基本ツールを取り上げる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100106.html
0 件のコメント:
コメントを投稿