(2010年1月22日 共同通信社)
アメーバ状の単細胞生物「真正粘菌」を、駅に見立てた餌を
配置した容器内に這わせると、体を引き伸ばしながら、
実際の鉄道網より輸送効率などに優れたネットワークを
形作るとの研究結果を、中垣俊之・北海道大准教授や
広島大などのグループが、22日付米科学誌サイエンスに発表。
費用対効果の高い通信網の設計など、
人間が都市のインフラ整備を行う際、
粘菌の"知恵"を借りられそう。
真正粘菌は餌に接触すると、周囲に体を集める性質を持つ。
餌が散らばっていると、餌と餌の間に管を形成し、
管を通じて栄養分や自らの体を移動。
よく使う管は太くなり、不要な管は消えてなくなる。
中垣さんらは、関東地方の形をした容器内に、主要な鉄道駅に
見立てた餌を36カ所配置。
山手線に相当する中央部に、最も大きな餌と粘菌を置き、
観察を繰り返した。
粘菌が作るネットワークは、常に同じ形になるわけではないが、
実際にある関東地方の鉄道網より効率的な形だったり、
経路の一部が寸断されても、迂回路が用意されていて
トラブルに強かったりするケースがある。
中垣さんらは、粘菌が迷路の最短距離を見つけ出すことを発見。
2008年、ユーモアのある研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」を受賞。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/22/114809/
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