(サイエンスポータル 2010年1月14日)
川島隆太・東北大学教授(加齢医学研究所、
スマート・エイジング国際共同研究センター長)が、
「朝ごはんを食べる習慣と、人生を成功に導くこととの
関連性が明らかに」
調査手法は、全国の現役大学生400人と、4 年生大学を卒業した
会社員500 人を対象、インターネットを利用したアンケート。
大学生400人は、大学を偏差値別に、(1)44以下、(2)45~54、
(3)55~64、(4)65以上、に4分類、男女各50人ずつ割り付け、
会社員500人は、35~44歳で現在の年収を、(1)300万円、
(2)300~500万円、(3)500~700万円、(4)700~1,000万円、
(5)1,000万円以上、に5分類、各100人ずつ割り付けた。
調査結果から、「受験・大学生活・就活・現在の生活において、
朝ごはん習慣を身につけている人は、
『偏差値65以上の第一志望の大学に現役合格し、
就活もスムーズで、自分が選んだ第一志望の道を歩み、
年収1,000万以上を手に入れている』という、
成功者の人生を歩む傾向がある」
「朝ごはん習慣を身につけていない小・中学生の学力が低いことは、
文部科学省の調査で明らか。
当研究室がこれまでに行った調査研究から、
朝ごはん習慣を身につけていないと、学力どころか
脳の働き自体が低い(脳が発達していない)ことが明らか。
朝食で、おかずをバランス良く食べないと、
同じように脳の発達が悪くなることも証明。
脳の働き方を、脳機能計測装置(functional MRI)で測定、
バランスよく朝食をとった時の方が、より脳が働いている」
今回の調査で、過去の調査研究の結果があらためて裏付け。
川島教授の丁寧なアドバイスも付記。
「脳を良く働かせるための朝食のポイントは、2つ。
一つ目は、脳細胞のエネルギー源であるブドウ糖を十分に供給、
二つ目は、ブドウ糖が有効に脳細胞で使われるようにするための
補助的な栄養素をきちんと摂る。
ブドウ糖は、でんぷん質を消化することによって補給され、
主食をきちんと摂らなくてはいけない。
ブドウ糖を、脳細胞が効率的に使うため、
ビタミンB群、必須アミノ酸のリジンを摂る必要。
二つ目のポイントは、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)を
長時間高く保つこと。
低GI(インスリンがでにくい)の食事が、
脳をより長時間しっかりと働かせてくれる」
当編集部として、1点気になったこと。
偏差値65以上といった難関大学に見事合格したような人、
会社に入ってからも相応の処遇を受けているような人の大半は、
元々きちんとした性格だから当然、食生活も普通の人より
規則正しかった、という側面もあるのでは。
http://www.scienceportal.jp/news/review/1001/1001141.html
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