2010年1月25日月曜日

仕事に役立つロジカルシンキング(2)「目的」と「全体像」を押さえる

(日経 1月12日)

ロジカルシンキングの第一歩は、「考える目的」を押さえること。
解決策を考えるにしろ、相手を説得するにしろ、
そもそも何を解決するのか、何に納得してもらうのかを
明確にしなければ始まらない。

相手と話がかみ合わなかったり、議論が進まなかったりする場合、
その多くは目的を明確に意識していないことが原因。
目的が別の内容にすり替わっていたり、
一部の目的しか見ていなかったりしたときも同じ状況に。

人は、興味深い発見や気になるポイントがあると、
注意が奪われて、いつの間にか目的をすり替えたり、
目的の一部だけを注目したりする。
何かを考え始める前、「今ここで考えるべきことは何か?」と
目的を確認する習慣を身につける必要。

目的を押さえる効果を実感できる場に、会議がある。
会議の司会や進行役をしたときの状況を思い出して。
議論が白熱して様々な意見が飛び交うと、
話が次第に目的からそれてしまった経験があるのでは。

そうならないよう、会議の冒頭で目的を共有したり、
議論が白熱したら、いったん目的に立ち返ってみたりすることが必要。

考える目的は、具体的にしなければならない。
自分は、どの「立場」で目的を考えるのか、
どのような「状況」に置かれているのかを明確に。

自社の商品に顧客からクレームがあった場合、
顧客と直接対応する人と商品開発する人とでは、
考える目的は違う。
立場や状況を明確にすると、目的を具体的にできる。

次に、「考えの全体像」について。
考える目的を押さえていても、偶然に目に入ったデータや
情報だけで、結論を出しがち。
考えの全体像をつかみ切れなくなる。
全体像がつかめていなければ、偏った独りよがりの結論を
導いてしまう恐れ。

全体像をぼんやりとつかんでも、意味がない。
個々のデータの位置づけを明確にすることも、
全体像をつかむための重要な目的の一つ。

考えの全体像をつかむには、いくつかの要素に分けて
とらえるのが効果的。
考えの全体像をいくつかの要素に分けたものを、「枠組み」。
枠組みを使って考えている例。

商談中、ライバル企業の動向が耳に入ると、ついライバル企業を
意識した商談をしてしまいがち。
ライバルが値引きしたと聞けば、こちらも値引きを検討したり、
納期をこれまでより短縮したと知れば、相手よりも早く納品
できるように考えたりする。

それだけでは、単なる条件競争に。
顧客はどのようなことを求めているか、自社にある強みや特徴が
顧客の求めていることを実現できるのかどうか、という点も踏まえて
商談を進めていかなければならない。

「顧客のニーズ」、「ライバル企業の動向」、「自社でできること」が、
商談で押さえておくべき枠組み。

枠組みは、大づかみにする方がよい。
全体像をできるだけ詳細に把握しようとすると、
数多くのチェックポイントが浮かび上がる。
これでは、細部に目が行き過ぎて、全体像が把握できない。

3ないし4つのポイントで網羅するように心がけると、
全体像をつかみやすくなる。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100112.html

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