2010年1月27日水曜日

県内小規模校に肥満傾向 岩手医大・坂田教授が分析

(岩手日報 1月26日)

県内小中高生の健診を分析した結果、
市街地に比べ、農業地帯や山間部、沿岸部で
肥満傾向が高いことが分かった。

肥満と学校規模に相関関係があり、調査分析した
岩手医大衛生学公衆衛生学講座の坂田清美教授は、
「小規模校では、通学距離も長くなるため、
車を利用した登下校も多くなり、
運動量が少なくなる可能性がある」と指摘。
対象は、県内の公立で小学422校、中学192校、高校79校、
特別支援など16校の計709校。

県の地域医療研究費補助金を利用し、2008年に実施した
定期健診の身長、体重のデータを分析。
有効回答は小学生4万3727人、中学生2万2454人、
高校生2万7740人、特別支援・養護839人の計9万4760人。
地域別に肥満者の割合を見ると、市街地は10・3%と低かったが、
農業地帯・山間部は13・5%、沿岸部は13・3%と高かった。
学校規模別(小中高合計)では、最も高かったのは
100人未満の学校で13・7%、反対に500人以上は10・9%。
小規模校ほど、肥満者の割合が高い傾向。

坂田教授は、「学校規模が肥満者の割合に強く影響。
小規模校は一般に通学距離が長く、自家用車やスクールバスなどを
利用して通学し、運動量が少なくなる可能性がある」と分析。
本県の児童生徒は身長、体重とも全国平均を上回る一方、
男女とも全国平均より肥満傾向であることが、
文部科学省の学校保健統計調査で示されている。
08年度「食育白書」では、成人の1日の歩行数と肥満の
相関関係が示された。
本県の肥満割合は男性41・2%、女性37・2%と
全国平均(男29・3%、女26・6%)を上回り、
歩行数は男性6628・2、女性6005・7とも全国平均
(男7525・5、女6662・6)を下回っている。
県教委スポーツ健康課の平野晃・施設学校健康担当課長は、
「通学手段が、肥満傾向に影響を与えている可能性が高い。
運動習慣や食生活など、さまざまの要因が考えられる。
学校と家庭が、それぞれの地域特性を把握し、
それに応じた対策を取ってもらいたい」

◆肥満度の判定方法

坂田清美教授らが開発した標準BMI(体格指数)を使用。
大人では、体重(kg)を身長(m)の2乗で割るとBMIが算出、
理想値は22。
成長過程にある子どもは、BMI値が大きく変化するため、
身長に対応した標準BMIを求め、
標準BMIから標準体重を算出して肥満度を計算。

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