2010年1月28日木曜日

中高年 増える摂食障害

(2010年1月20日 読売新聞)

拒食症や過食症などの「摂食障害」は、
若い女性の病気というイメージがあるが、
中高年でもこの病気に苦しむ人が少なくない。
自助グループなど、「『この年で摂食障害なんて恥ずかしい』と
思わず、助けを求めてほしい」。

◆3食はサプリ

神奈川県藤沢市の女性(50)は、3年前に拒食症。
以前の体重は、身長160cm、体重55kg。
決して太りすぎとはいえないが、「自分の理想体重は45kg。
どんなに頑張ってダイエットしても、50kgまでしかやせられない
自分を太りすぎで醜いと感じ、自分に自信が持てなかった」

3年前に夫が入院、心労から食欲がなくなり、
体重が3か月で10kg減。
これがきっかけで、「体重を減らすことが面白くなり、拒食にはまった」
1日3食をすべてサプリメント、食べ物はほとんど受け付けない。

摂食障害は、思春期に過剰なダイエットなどがきっかけとなって
発症することが多い。
最近は、この女性のような中高年の患者も増えている。

横浜市にある摂食障害の女性のための通所施設「ファルク」に、
10人の女性が通っているが、8人が30歳代以上、最高齢は66歳。
48歳の女性は、18歳から拒食と過食を繰り返し、
11年前に長男が生まれ、育児やママ友との人間関係のストレスから、
症状が悪化することも。

ファルク所長の細野直子さん(50)は、「子育て中の母親や、
中高年女性の中にも、摂食障害で苦しむ人が増えている」

摂食障害に詳しい成増厚生病院診療部長の後藤恵さんは、
「今は、50歳でも60歳でもきれいでいたい女性が多い。
以前は、子育て中は症状が出ないことが多かったが、
最近は、子育て中でもおしゃれをしたいお母さんが多く、
摂食障害に陥りやすい」

◆背景に自己否定

摂食障害の自助グループ「日本アノレキシア・ブリミア協会(通称ナバ)」
10年前から、30歳代以上からの相談電話が増え、
現在は、本人からの相談電話の半数を占める。
新規の相談もあるが、10年以上前に会員だった人が、
中高年世代となり、再び助けを求めてくるケースも。

代表の鶴田桃エさん(47)は、「摂食障害の背景には、
ありのままの自分を受け入れられない自己否定が。
症状が治まっても、その根っこが未解決ならば、
新たな困難にぶつかった時に、再び発症してしまう」

ファルクに通う66歳の女性は、「一人で悩んでいる中高年の方に、
同年代の仲間がたくさんいることを伝えたい」
ファルクでは、摂食障害について広く知ってもらうため、
3月7日に横浜でセミナーを開く。
問い合わせ、申し込みはファルク(farc@amail.plala.or.jp)、
男女共同参画センター横浜北(045・910・5700)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/20/114712/

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