(2010年1月26日 毎日新聞社)
脳内で、てんかんの発症を防いでいるたんぱく質を、
自然科学研究機構生理学研究所の深田優子准教授(神経科学)ら
日米のチームが特定。
別のたんぱく質と結合、脳の神経細胞の興奮を上手に調節。
25日付の米国科学アカデミー紀要(電子版)に発表。
てんかんは、神経細胞が過剰に興奮する疾患、
人口の約1%が発症。
症状や背景は多様で、発症の仕組みはよく分かっていない。
チームは06年、神経細胞のつなぎ目のシナプスから
「LGI1」というたんぱく質を発見。
病気との関連を探るため、LGI1を作れないマウスを作ったところ、
すべてが生後2~3週間で重いてんかん発作を起こして死んだ。
健康なマウスのシナプスで、LGI1の働きを調べた。
その結果、LGI1は神経細胞の外に放出された後、
別の2種類のたんぱく質と結合、シナプスに橋をかけるように
存在すると考えられた。
LGI1を持たないマウスは、両たんぱく質がシナプス周辺に
存在しなかった。
チームは、3種のたんぱく質が正常に結合することで
脳の興奮を調節、てんかん発症を防いでいると結論。
チームの深田正紀教授は、「LGI1を補うなど、新しいタイプの
抗てんかん薬開発につながる可能性もある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/26/115035/
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