2010年1月13日水曜日

所得格差、健康に関係 地域の信頼感も薄れ 日本福祉大調査

(2010年1月6日 毎日新聞社)

所得格差が大きい地域ほど、地域の絆を示す他人への信頼感が
低下し、自分の健康状態が悪いと思う人の割合も高くなる--

知多半島の高齢者を対象にした日本福祉大などの大規模調査。
経済的な格差と住民の結びつきの深さや健康が相互に
関係していることを示す結果。

調査は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの
市田行信研究員(地域計画)らが、
日本福祉大健康社会研究センターなどと協力。

知多半島の10自治体に住む65歳以上の高齢者約3万4000人を
対象に郵送で実施、半数の約1万7000人から回答。
1950年時点の自治体で分けた計25地区ごとに、
所得格差を示す「ジニ係数」と、地域の絆を示す
「他人への信頼感」の程度や、自分の健康状態をどう思うか
(主観的健康感)などとの関係を分析。

その結果、25地区のジニ係数は0・26~0・41と開き。
ジニ係数が、0・01高くなり格差が大きくなるごとに、
健康状態を「悪い」とする回答が平均0・6%ずつ増え、
「人は信用できる」と他人への信頼感を肯定的に示す回答は
1・4%ずつ低下。

他人への信頼感を示す回答が1%上がれば、
自分の健康状態を「悪い」とする回答は、平均で0・9%ずつ
下がることも分かった。
健康状態が良いと思う人が多ければ、実際に長生きする人も多いなど、
主体的健康感は死亡率に関係。

市田さんは、今回の調査結果から「所得格差が拡大すると、
地域の絆の低下を通じて、住民の健康に悪影響を及ぼす
可能性が示された」
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◇ジニ係数

所得を基に、不平等度がどれだけあるかを計算した数字。
0~1で表し、0は平等で格差がない状態、
1はただ一人に所得が集中している状態を意味。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/6/114033/

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