(2010年1月8日 共同通信社)
現在の新型インフルエンザと、過去に流行したスペイン風邪など、
同じ「H1N1型」のインフルエンザウイルスの遺伝子分析から、
60代以上の人の多くが新型への免疫を持っている
可能性があるとの研究結果を、
科学技術振興機構の西浦博さきがけ研究者(理論疫学)と
米国の研究者らのグループがまとめ、英科学誌に8日発表。
グループは、11の国と地域で新型感染者の年齢分布を検討。
75%以上が30歳未満に集中、10~19歳がピークで、
65歳以上は3%未満と少ないことを確認。
1918年以降に流行したH1N1型のウイルスについて、
人の免疫反応にかかわるウイルス表面のタンパク
「ヘマグルチニン」の遺伝子配列を分析。
18年以降、40年代までに流行したウイルスと新型との間に、
タンパクに付いている「糖鎖」と呼ばれる構造が一部脱落している
共通点があることを突き止めた。
77年以降に流行したウイルスには、この特徴がなかった。
グループは、この流行時期によるウイルスの違いが、
年齢による免疫の差が生じた理由とみており、
60代以上には新型への免疫があるが、
77年以降に生まれた人には免疫がないと考えた。
日本での流行を分析し、年齢によって新型への感染のしやすさの
違いがあることも判明。
20~39歳を基準に、0~5歳は2・77倍、6~12歳は2・67倍、
13~19歳は2・76倍感染しやすく、40~59歳は0・56倍、
60歳以上は0・17倍と感染しにくかった。
※「Theoretical Biology and Medical Modelling」と
「BMC Infectious Diseases」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/8/114131/
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