2010年1月10日日曜日

安全・安心野菜の里確率へ 広がるか独自の認証制度開始初年度は4者が登録

(東海新報 1月1日)

耕作面積の狭い中山間地における農業振興を
目指している住田町。
その一環として、今年度スタートしたのが、
「安全安心農産物認証制度」。

制度に登録した生産者の農産物を、
「農薬・化学肥料不使用栽培」、
「農薬不使用・化学肥料節減栽培」といった栽培過程に応じて
格付けを行い、これに基づく金、銀、銅の各シールを
生産者に交付。
生産者が出荷時に袋などにはり付け、その安全性をPR。
初年度は、モデル的生産者として、3個人1団体が登録。
「安全野菜イコール住田」のブランド化につなげようと、
意欲的に取り組んでいる。

日本国内の一農家平均耕作面積が、およそ1ヘクタール、
中山間地にあり森林面積が約9割という同町での平均は
約60アールと狭い。
農業が基幹産業の一つだけに、他産地と競合するには
「量より質」の考え方が鍵を握る。

昭和40年代後半から50年代、町役場や農協、農家が一体となり、
労働力を集約して、収益性の高いキュウリやイチゴの畑作と畜産を
組み合わせて生産する集約・複合経営を推進。
農業振興と農家所得向上に大きな成果をあげ、
「住田型農業」として全国から脚光を浴びた。

全国的な例に漏れず、従事者の高齢化や後継者不足の影響から、
キュウリ、イチゴとも生産額は往時に比べて大幅ダウン、
昨今においてはその輝きは失われつつある。

こうした状況下でスタートした町独自の野菜認証制度。
対象は、町内の生産者で、農産物は米を除く野菜が中心。
農産物の栽培過程によって金、銀、銅の三種にランク付け。

金の条件は、「化学合成農薬、化学肥料または
化学合成土壌改良資材を使用していない」、
銀は「化学合成農薬を使用せず、化学肥料を県慣行栽培の
50%以下に減らしている」、「化学肥料を使用せず、
化学合成農薬を県慣行栽培の50%以下に減らしている」、
銅は「化学合成農薬や化学肥料を県慣行栽培の
50%以下に減らしている」。

審査は、農業関係機関でつくる町農業振興協議会が実施。
シール交付希望の生産者が申請書や栽培計画を提出し、
これを受けた町が町農振協に書類や現地審査を依頼。
結果報告を受けて、生産者に登録通知書を交付。
栽培スタート後、町農振協による現地調査を経て
ランク付けに至る。
シールは出荷に合わせて交付。

昨年9月、初の認定証書交付式では、3個人1団体が
キュウリやサツマイモなどの品目で登録。
認証野菜は、町内の産直やイベントでも販売、
消費者の関心を集めている。
買い物の目安の一つにしてもらうことで、安全安心ブランド確立を
目指し、同時に誘致企業を窓口とした全国展開も視野に、
すそ野の広がりを目指している。

http://www.tohkaishimpo.com/

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