2010年5月28日金曜日

「黒い海」体験、後世へ チリ地震津波50年

(岩手日報 5月25日)

1960年のチリ地震津波から、50年が経過した24日、
国内最多の犠牲者を出した大船渡市では、
正午にサイレンを鳴らし、市内各地で黙とうがささげられた。

大船渡小(柏崎正明校長、児童269人)は、
半世紀前の児童が残した体験文を読み、
津波の恐怖や残酷さに触れた。

50年前の同校の児童、教職員、保護者らが、
被災直後に体験を書き残した文集「黒い海」を、全学年が学習。
児童は、自分と同じ学年の子どもが残した体験文を読み返した。

5年2組は、菊地正徳教諭が体験文を朗読。
「『おらいの家がつぶされる、あああ…』と言って泣いてしまいました」
など、読み上げられる表現を真剣なまなざしで聞いた。

柏崎校長も、自身の体験談を披露。
文集に掲載された壊滅的な街の様子の写真に、
児童は目を奪われた。
正午のサイレンに合わせ、全員が海の方角を向いて黙とう。
手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。

佐藤稔貴君(5年)は、「本当にかわいそう」と感想を語り、
熊谷雅大君(同)も、「自分と同じ年で死んだ子がいるなんて、
もっと長生きしたかったと思う。
津波の時は、すぐ高台に逃げる」と誓った。

柏崎校長は、「当時の子ども、教師の思いや津波の怖さを
今後も伝え、地域の人と一緒に備えていきたい

チリ地震津波は、1960年5月24日未明、本県沿岸部に襲来。
大船渡市で53人、陸前高田市で8人、宮古市で1人が犠牲。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100525_4

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