(岩手日報 5月25日)
1960年のチリ地震津波から、50年が経過した24日、
国内最多の犠牲者を出した大船渡市では、
正午にサイレンを鳴らし、市内各地で黙とうがささげられた。
大船渡小(柏崎正明校長、児童269人)は、
半世紀前の児童が残した体験文を読み、
津波の恐怖や残酷さに触れた。
50年前の同校の児童、教職員、保護者らが、
被災直後に体験を書き残した文集「黒い海」を、全学年が学習。
児童は、自分と同じ学年の子どもが残した体験文を読み返した。
5年2組は、菊地正徳教諭が体験文を朗読。
「『おらいの家がつぶされる、あああ…』と言って泣いてしまいました」
など、読み上げられる表現を真剣なまなざしで聞いた。
柏崎校長も、自身の体験談を披露。
文集に掲載された壊滅的な街の様子の写真に、
児童は目を奪われた。
正午のサイレンに合わせ、全員が海の方角を向いて黙とう。
手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。
佐藤稔貴君(5年)は、「本当にかわいそう」と感想を語り、
熊谷雅大君(同)も、「自分と同じ年で死んだ子がいるなんて、
もっと長生きしたかったと思う。
津波の時は、すぐ高台に逃げる」と誓った。
柏崎校長は、「当時の子ども、教師の思いや津波の怖さを
今後も伝え、地域の人と一緒に備えていきたい」
チリ地震津波は、1960年5月24日未明、本県沿岸部に襲来。
大船渡市で53人、陸前高田市で8人、宮古市で1人が犠牲。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100525_4
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