2010年5月28日金曜日

当世給食事情(4)生徒考案の献立 全校で

(読売 5月15日)

「今日の献立は、白菜スープ、鶏肉のレモンソースかけ、
大根サラダ、フルーツヨーグルト、牛乳です。
献立を考えたのは、1年3組の林舞由香さん(13)です」

長野県塩尻市立広陵中学校の各教室で給食が始まると、
テレビで放送委員の紹介が流れた。

同中の給食は、1年生が作った献立で、
毎日、全校約600食が出される。
1学期の家庭科の授業で、1年全員に給食で食べたい献立を
考えさせ、2学期が始まる8月末から1年間の給食205回のうち
半数強が、生徒考案の献立となる。

材料の吟味から、食事の意味を考えてもらいたい」、
「食べ残しをなくしたい」と、栄養教諭の杉木悦子さん(55)が
前任校から取り組み、10年になる。

主食(ご飯)、汁物、主菜、副菜、デザート、牛乳の
セットとして献立を作成。
その際の約束は、
〈1〉食べてもらうみんなのことを考える、
〈2〉六つの食品群全部から食品を選ぶ、
〈3〉畑で、自分たちが育てた野菜や地元産の食材を入れる、
〈4〉旬のものを入れる――など。

午前中、この日の献立を考案した林さんは、給食室を訪ね、
「よろしくお願いします」とあいさつ。
献立を作った生徒の顔が見えると、作りがいがあります」と
調理員の小澤みどりさん(45)。
同僚の調理員の足助茂樹さん(35)も、
「子どもたちが何を考えているか、好みも分かって面白い」

給食の後、各クラスの残飯を計測する給食委員の
2年山田拓登君(14)は、「今日は平均すると700g程度。
かなり少ないと思います。
レモンの風味が効いた唐揚げがおいしかったからかな」

小中全校で、自校給食が同市の方針。
給食の前後は、給食委員や先生が出て、身支度のできていない
生徒の給食室への立ち入りをチェック、担任と副担任が必ず
一緒に教室で給食をとるなど、家庭科教諭との連携をはじめ、
全校教職員の協力態勢がある。

1年3組担任の高谷修教諭(39)は、
「献立を考えたのが自分のクラスの生徒だと、
教室内は盛り上がる。
本人は、みんなが食べてくれるかドキドキし、
『うまいじゃないか』と言うと、満更でもない表情をしてくれます」

献立作りをすると、食に主体的になれる。
自分がどんなふうに食べているかを振り返るようになる」
杉木教諭は、育ちへの好影響を実感。

◆栄養教諭

学校における、食に関する指導と給食の管理を行う。
学校教育法の改正で、2005年度から配置、
全国で1967人(08年)いる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100515-OYT8T00223.htm

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