2010年5月24日月曜日

効率よく太陽光捕集する高分子システム

(サイエンスポータル 2010年5月17日)

太陽エネルギーを効率よく高分子化合物に取り込み、
そのエネルギーを目的の場所にすんなり移動させることが
できる光捕集システムを、
自然科学研究機構分子科学研究所の研究チームが作り出した。

地球に到達する太陽エネルギーは膨大な量だが、
密度が希薄なため、いかに効率よく取り込めるかが、
太陽エネルギー利用拡大の鍵の一つ。

分子科学研究所の江東林(チャン・ドンリン)准教授らが
開発したシステムは、多孔性共役高分子を合成し、
その内部にクマリン6という色素を入れ込んだ構造。

多孔性共役高分子は、電子が分子全体に広がった構造をし、
かつ巨大な表面積を持つ。
光エネルギーを効率よく取り込み、さらに捕集された光エネルギーを
高分子の内部のクマリン6に容易に運搬することができる。

これまで、太陽エネルギーをうまく取り込む分子システムは
いろいろ研究されているが、捕集したエネルギーを望む場所まで
移動させることが難しかった。

新しく開発されたシステムは、エネルギーの移動効率が90%に達し、
太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する
重要な基礎技術として期待できる。

http://scienceportal.jp/news/daily/1005/1005171.html

0 件のコメント: