(2010年5月13日 共同通信社)
脳の神経細胞で働く酵素が、脳疾患につながる神経変性から
細胞を守る働きをしていることを、
佐々木雄彦秋田大教授(医学)らの研究チームが
マウスの実験で解明、13日英科学誌ネイチャー電子版に発表。
パーキンソン病やハンチントン病など、神経変性疾患の
治療法開発につながる可能性がある。
チームは、体内で脂質を分解する酵素で役割が未解明な
「INPP4A」に着目。
この酵素を持たないマウスを作ったところ、四肢が激しく震えるなどして
歩けず、症状が人のハンチントン病などの特徴に似ていた。
マウスの脳で、運動をつかさどる部位の神経細胞が死んでいた。
酵素を働かなくさせた神経細胞に、グルタミン酸を与えると、
細胞死することも突き止めた。
脳にあるグルタミン酸は、神経伝達物質として記憶などの
脳の正常な働きに必須な一方、神経を興奮させすぎて
細胞死させる毒性も備えている。
チームは、神経細胞がグルタミン酸を過剰に受け取るのを
酵素が防ぎ、毒性から保護していると判断。
佐々木教授は、「"もろ刃の剣"とも言えるグルタミン酸から、
細胞が守られる仕組みの一端を初めて解明できた」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/5/13/120192/
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