2010年5月24日月曜日

高地に適応した遺伝子 チベット人の特徴分析

(2010年5月14日 共同通信社)

標高4000m前後の中国・チベット高原に住むチベット人が、
酸素の薄い過酷な環境に適応する中で獲得したとみられる
遺伝子の特徴を突き止めたと、中国青海大と米ユタ大の
研究グループが、14日付の米科学誌サイエンス電子版に発表。

低地に住む人は、標高が上がると体中に酸素を運ぶ
ヘモグロビンの血中濃度を高め、高地に適応しようとするが、
これとは逆に、チベット人の血中ヘモグロビン濃度は低い。

今回の特徴をさらに分析すれば、
高山病などの治療に役立つ可能性がある。

研究グループは、青海省の標高4350m付近に住む
チベット人31人の遺伝子を分析。
世界の人々の体質にかかわる遺伝子の塩基配列の
わずかな違いを網羅した「国際ハップマッププロジェクト」で
得られていた中国人と日本人のデータと比較。

その結果、チベット人は「EGLN1」、「PPARA」という
二つの遺伝子に特徴があることが判明。
これらの遺伝子が、ヘモグロビン濃度を低く抑えていると結論。

高地での酸素欠乏は、頭痛やめまい、吐き気などの
高山病の症状を引き起こす。
高山病が重症化すると、脳浮腫や肺水腫を起こし、死に至ることも。

今年4月、チベット高原の中国青海省で発生した大地震では、
救援隊員に高山病が続出し、救助活動が難航。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/5/14/120222/

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