(読売 5月1日)
国の支援を受ける側も、課題を抱えている。
日本体育協会で、開かれた国体委員会。
国体の今後のあり方を考えるプロジェクトチーム責任者の
杉山茂は会議後、報道陣に囲まれ苦笑。
杉山は、元NHKプロデューサーで、
五輪などスポーツイベントにも詳しい。
「競技者に敬遠され、開催地になんだかんだと(文句を)言われ、
メディアが遠巻きにしているイベントって、そうざらにはないよ」
冬季国体はここ数年、開催地がなかなか決まらない。
開催まで1年余に迫った段階で、辛うじて来年の開催地が
スキーは秋田、スケートは青森で固まった。
昨年に続いての開催となる青森は、東北新幹線全線開通という
「大義名分」がなければ、開催を受け入れたかどうか分からない。
バンクーバー五輪期間中の今年2月、札幌市で開幕した
スキー国体は、簡素な大会。
皇族の出席はなく、名称も開会式ではなく「開始式」。
五輪出場を逃したジャンプの湯本史寿(東京美装)が、選手宣誓。
五輪と同時期に開催せざるを得ない、国体の厳しい立場を象徴。
杉山は、私案と前置きしながら、
「成年の部の隔年開催」や、一流選手が国際試合とぶつからないよう
「フィギュアスケートだけの秋開催」など、斬新な改革案を披露。
実行は、簡単ではない。
すでに夏季開催地は2017年まで固まり、各自治体は開催に向けて
予算を確保し、施設の増改築などを進めている。
施設整備費などを含めた国体の総費用は、年間500億円超。
国全体のスポーツ予算の数倍の数字。
関係団体の利害が絡む国体という“怪物”を、
抜本的に改革するのは、難しい。
JOCが分離、独立して以降、体協は主にスポーツの普及、
振興に力を入れてきた。
「その部分は、成果が表に出にくい」という
体協専務理事の岡崎助一の言葉通り、昨年の事業仕分けでは、
「体協の有り様は要検討。組織は陳腐だ」と厳しい意見、
今年度予算は、国からの補助金が昨年度より7%も削減。
体協には、全国に支部がある。
そのネットワークを活用し、目に見える普及をどう図るか――。
スポーツ立国に向けた議論がスタートした今、国体とともに、
体協も改革が求められている。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100501_01.htm
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