2010年5月3日月曜日

「野球ひじ」予防、早期発見を 医師らがケア組織

(2010年4月27日 毎日新聞社)

成長期の子どもが、投げ過ぎなどでひじを痛める「野球ひじ」の
予防や早期発見につなげようと、県内の整形外科医や
理学療法士ら約90人が、「野球障害ケア新潟ネットワーク」を発足。

県内の野球団体で構成する県野球協議会にも加盟。
小学生から還暦野球チームまで、
試合や会合に出向いてはメディカルチェックを行う。

野球ひじは、主に投げ過ぎで起こるひじの関節障害。
成長期の小中学生に多く、重症化するとひじを曲げ伸ばしできなくなり、
手術が必要に。
後遺症が残り、投手はおろか野球を続けられなくなることも。
「診察室で泣き崩れる子どもを、何人も見てきた。
異常を早く発見し、投げ過ぎ予防のルールを作らないと」

新潟リハビリテーション病院長で、整形外科医の山本智章医師(50)は、
同ネットを発足させた狙い。

整形外科医と理学療法士らのチームが、
少年野球チームの試合や会合に出張。
仮設テントを設けるなどして、肩やひじを超音波や触診・問診で検査。

県内の主要野球団体が入っている県野球協議会に加盟し、
県内各地でメディカルチェックを普及させたい考え。

野球ひじになり、手術する小学生は、県内だけで年間10~20人。
「小学生で、ひじにメスを入れなければならないのはなぜなのか」、
山本医師が03年、野球経験のある医師ら10人と
野球の障害予防チームを結成したのが発端。

新潟市内の少年野球チームを中心に、メディカルチェックを重ね、
球児の1割前後が野球ひじになっていることが分かった。

球児たちのフォームの高解析カメラによる動作分析も始め、
下半身や体幹を使わず、上半身に頼ったフォームが
障害を生じやすいことも確認。
ひじや肩に負担をかけない投球フォームのアドバイスもしてきたが、
野球の指導内容にかかわるため、
浸透には指導者の理解が欠かせない。

日本臨床スポーツ医学会は、投げ過ぎを防ぐため、
1日の全力投球数は小学生で50球以内、中学生で70球以内が
望ましいなどと提言。

実際は、認知が進んでいないのが現状、
山本医師は、「いかに野球関係者と連携していくかが大事」
野球障害は、全国共通の問題。
幅広いデータ蓄積と分析を進めようと、他県の医師らと協力し、
メディカルチェックを全国共通の内容で行う取り組みにも乗り出している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/27/119568/

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