2010年5月5日水曜日

スポーツ立国第1部 支援(5)toto 振興財源の期待「大」

(読売 4月28日)

スポーツを支援しているのは、国や企業だけではない。
“第3の柱”が、スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)。
事業仕分けを受け、JOCなどへの今年度補助金が削減される中、
totoの存在感が増している。

最高6億円が当たる「BIG」を中心に、totoの業績は堅調で、
昨年度の売上額は約785億円。
運営する日本スポーツ振興センター理事の石野利和は、
「国費と並ぶスポーツ財源として、
totoの果たす役割は大きくなっている」

文部科学省にいた石野が、toto担当総括官に就任時、
累積赤字は約264億円に膨れあがり、存続の危機。
「これがダメなら、つぶれるかも」との思いで導入したBIG。
これが当たった。
2008年度、過去最高の約897億円を売り上げ、
ようやく軌道に乗った。

同センターは今月、今年度の助成事業に、
過去最高の約103億円分を割り当てた。
約14億円を、トップ選手や指導者への助成に回した。
この結果、昨年度の382人から586人へと、
支援を受ける人たちが大幅に増えた。

地域の拠点となる「総合型地域スポーツクラブ」の自立支援、
活動基盤強化事業には、過去最高の約22億円を配分。
専従でクラブを運営する人材を雇う経費(1人=月22万円)への
助成を拡充。

スポーツの振興が進んでいるとは言えない。
競技団体や地方自治体からの要求額が財源を下回り、
使い切れない現象が起きている。
昨年度の繰越金は10億円。
今年度の財源は160億円を見込むが、まだ64億円が残り、
追加募集が行われる。

totoの財源を求める声が少ないのは、助成率に問題。
事業計画の2割から9割まで助成金が出るが、
残りは、競技団体などが用意する必要。
事業収入が少ないマイナー競技の団体では、
“自己資金”を集められないケースも。
元Jリーガーで参院議員の友近聡朗としろうは、
地方や競技団体は、自主財源を用意する体力がない。
もっと助成率を上げるべきだ」と訴える。

立国戦略の中間報告が、今夏にもまとまる。
第3の柱となるtotoが有効に活用されなければ、
日本スポーツ界の青写真は描けない。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100430_01.htm

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